第五十二話『キマイラさま』

「わかりました!聞いてきます!チョコもゲットしてきます!」

妖精くんはそう言って、飛んでいった!


私たちは妖精くんの帰りを待ち、休憩していた。

しばらく、雑談をしていた。

すると、妖精くんが帰ってきた!


「ヤギさん、はい!これチョコです!」

妖精くんはそう言って私にチョコを渡してくれた。

これはすでに作ってあったものらしい。

ここへの道を開拓したことによって代わりにもらってきたみたい。


「キマイラさまありがとうございます!」

そういったのは、妖精くんではなく人間だった。

妖精くんと一緒に何人か連れてきていたみたいだ。


「わ!人だ!」

私は嬉しくなって口にだしてしまった!

もしかしたらガルルルルルと聞こえるだけかもしれない。

それはすごく悲しいがしかたないかもしれない。

ライオンやへびくんとお話できてるだけで奇跡かもしれない。


「人の言葉が話せるんですね!」

と人間は言った。


「お、通じるな」

ライオンは言った。

ライオンもおどろいたようだった。

まだ、この世界のルールを把握しきれてないところが私たちにはある。


「はい!私どもも驚いております。人語を話すキマイラさまに!」

妖精くんがつれてきたと思われる、町の人はそう言った。


「それは話が早そうだな」

ライオンはつぶやいた。


「キマイラさまが開拓してくださったこの道のおかげで、カカオの収穫が容易になりました、これから先は、いつでもきていただければ、チョコレートやココアなどはいくらでも提供いたします!」

町人さんはそう言った。


「まぁ、なんてこと!!」

わたしはあまりの嬉しさに満面の笑みになっていた!

まぁ、実際はヤギだから、こわい顔かもしれないけれども。


「やったね、ヤギちゃん!」

へびくんも一緒に喜んでくれた。

女子の喜びがわかる男へびくん。


「これで補給とヤギのテンションの確保はできたな」

ライオンが冷静に言う。

女子の喜びがわからない男ライオン。


「このまま魔王を倒そうと思うんだが、魔王の住処はわかるか?」

ライオンは町人に聞いた。


「はい、わかります」

町人はそういいながら地図を出し、指さした。


「この地図もらえたりするか?」

ライオンは聞いた。

実際にはこの三人で地図を見るのは誰にも手がないので難しいが、妖精くんに手伝って貰えばなんとか見えるはず。


「はい、どうぞ!どうぞ!このぐらいはお安い御用です!」

町人は言った。


「助かる」

ライオンは言った。


「めっそうもございません。それだけではなく、キマイラさまの銅像を作って讃えさせていただきたいと思ってます!」

町人は当たり前のようにいった。


「神格化してる・・・」

私はつぶやいた。


「ああ、こうやって宗教ってできるのかな・・・」

へびくんもつぶやいた。


「なるほど、おもしろいな」

ライオンも面白がっていた。


「みなさまありがとうございました!いつでもお寄りください!」

と町人は言って、カカオを抱えて街に戻っていった。


「さぁ、たっぷりとチョコとココアももらったし、魔王のところにいっちょいきますか!」

わたしはもぐもぐチョコを食べながらそう言った。

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