第四十七話『天空』
「のぉぉぉぉお、どうするのこれぇぇぇぇぇ」
私は叫びながら逃げ惑う。
空中にいることがわかったヘラクレスオオカブトが、ブンブン音を出しながら攻撃してくる。それをなんとか躱していた。
「もう俺にできることはないぞ」
ライオンはさらりと言った。
そう、彼は「獄炎 - ファイヤーブレス」を一度しか打つことができない。
かなりの攻撃力を持つ代わりに一度しか打つことができないという制限があるのだった。
「なにやりきった感出してるのぉぉぉぉ」
私はライオンに抗議する!
「獄炎 - ファイヤーブレス」が撃てないだけでできることはあるはずだ!!
「流石にこの炎で無傷ってことはないよね、ヤギっち確認してみて!」
へびくんは冷静に状況を確認する。
そう、ヘラクレスオオカブトは上空に避けて元気にこちらに攻撃をしてきているが
まったく当たってないとも思えなかった。
「オーケー「天秤 - ライブラ」ね」
私はへびくんの意図を理解してスキルを発動させる。
するとわたしには相手のヒットポイントが理解できた。
「あ!結構減ってる。」
私はみんなに伝える。
これはかなり良い知らせだった。テンションが上がる!
「つまり間一髪だったわけね!カブトも!」
そして、解釈をみんなに伝えた。
ドヤ顔で!
「ヘラクレスオオカブトな」
ライオンはドヤ顔の私に冷静に言った。
なぜかやたらとヘラクレスオオカブトにこだわりのあるライオンだった。
「そのこだわりは何ぃぃぃぃぃぃ!」
私はライオンに抗議する。
すると、どうじに天空のヘラクレスオオカブトが私(達)に襲いかかってくる。
「どっせい!」
わたしは大きな声を出しながら間一髪でヘラクレスオオカブトを避ける。
なんとか避けたけど、何度も続くと厳しい。
だんだん疲れてきているし・・・。
「ヤギっちだんだん可憐な女子高生っぽくなくなってるけどいいの?」
へびくんが軽く突っ込んでくる。
「女は強い生き物なのよ」
私は言った。
「おお」
へびくんとライオンがつぶやいた。
男子二人の納得。
「おお、じゃないわよ」
私は二人に抗議する。
「しかし、空中から相手の好きなタイミングで攻撃できる相手か、強すぎるね」
へびくんがヘラクレスオオカブトの強さを冷静に分析する。
そう、私達は飛べないから、向こう側だけ自由に空にいける。
「たしかに!こっちからは攻撃できないのに、向こうからだけ攻撃できるってズルくない?」
私は抗議する!ズルはダメ絶対!女子は公平が大好き!
「ずるいね」
へびくんが同意してくれた。
「ズル!卑怯者!インチキ!降りてこーい!」
私は天空にいる、ズルいヘラクレスオオカブトに抗議した!
「さすがに今回はヤギっちと僕だけじゃなんともならないよ?」
へびくんはライオンに言う。
冷静に戦力分析をしているのだろう。
「そうだな」
ライオンは言う。
「仕方がない、戦うか!」
覚悟を決めたかのようなライオンはそう言った。
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