第四十六話『200Hz』
「これが・・・レベル4の「獄炎 - ファイヤーブレス」のちから・・・」
私はつぶやいた。
ライオンが放った、レベル4の『ファイヤーブレス』の効果を実感していた。
あたりは火の海だ。
「あいかわらず少年漫画の主人公みたいなセリフ言ってるね」
へびくんが私にツッコム。
ついついお兄ちゃんゆずりの中二病が顔を出す。
「しかし、確かにすごいな・・・」
ライオンも珍しくつぶやいた。
前が見えない程に火の海が生まれていた。
「うん、すごいね」
へびくんがライオンに同意する。
「さすがにこれは一撃で倒しちゃった?」
私は聞く。
「うん、さすがにこれは一撃だよね」
へびくんもうなずく。
「まぁ、そうだな。もう撃てないし一撃で倒してくれてないと困るしな」
ライオンがつぶやく。
そうライオンの「獄炎 - ファイヤーブレス」は攻撃力が高い代わりに一度しかつかうことができない。
これで倒せていないと結構つらい展開が待っているのだった。
「そのフリ、かなり怖いんですけど・・・?」
私は言う。
そう、嫌な予感しかしない・・・
ザ・フラグとも言える・・・
「あたりは火の海だけどね」
へびくんはあたりを見回してそう言った。
そう、カブトムシはこの火の海の中で倒れているはずだ。
普通なら・・・
「ねぇ!なにか音が聞こえない?」
私はある音が気になって二人に聞いた。
今までは聞こえなかった音がかすかに聞こえている。
「火の海だからメラメラは聞こえるな」
ライオンが言う。
そう、ライオンが放った炎によって気が燃えているおとは聞こえ続けている。
「いや、それじゃなくて、もっと違う音」
私はそれ以外の音のことを言っていた。
メラメラやパチパチとは違う別の音が聞こえるのだ。
「確かに聞こえるね、ブーンって言う音がかすかに」
へびくんも耳をすましてその音に気がついた。
「ああ、昆虫が飛ぶときに聞こえる低周波音だな」
ライオンもうなずいた。
何やら専門用語を使っている。
「え、何の話」
私は聞く。
「この音だとE♭ぐらいか、200Hzぐらいだな」
ライオンはさらによくわからない専門用語を使った。
「えええええ、何の話?」
私は聞いた。
「音って振動なんだよ、一秒間に何回振動するかでドレミが変わって聞こえるんだよ」
へびくんが説明してくれた。
1秒間に何回振動するかがHzなのだろうか。
「え、そうなの?」
私が聞く。
「そう、昆虫が飛ぶときのも羽を一定の速度で動かしてるからドレミで聞こえるってこと」
へびくんは説明をする。
それってつまりこのぶーんって音がドレミで聞こえるということ?
「え、絶対音感があるってこと?」
私はライオンに聞いた。
「そうだな」
ライオンは当たり前のようにうなずいた。
え、絶対音感ある人なんてはじめてあった!
「でこの音はどこから聞こえてるの・・・?」
私は問題の本質にたどりいていた。
そして、上を見てあるものを見つけてしまった。
「ああ、カブトムシって飛ぶんだった」
私はそれを見てつぶやいた。
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