第二十七話『お菓子』

「私お菓子が食べたい!!」

「「はい!?」」

ライオンとヘビの声が響き渡った。


「お前何言ってんだ!」

とライオンが言う。

確かにこの世界での非常識かもしれない・・・。


「だって、食べたいんだもん!」

私は言う。

食べたいものは食べたい。

甘いものが超食べたい!。


「ぶっちゃけ、戦闘ばっかりで飽きたし・・・」

と本音を言う私。

そう、いきなりヤギになって戦闘に次ぐ戦闘。

こんなの普通の女子高生に耐えられっこない!!


ここらで甘いものの1つでも食べないと。

もうムリです。

私限界です。


「確かに・・・ヤギっちが土台だから、結構走って疲れただろうしね。そのぐらいのご褒美はあってもいいかもね!」

とへびくんが言う。

流石マイルドイケメン。


「そう言われればそうか・・・」

とライオンも考え始めた。

意外に気を使う男である。


「でもお菓子なんてあるのか?」

とライオンが言う。


「流石にコンビニで売ってるようなもはないと思うけどね。この世界にもあるものはあると思う。ヤギっちはなにが食べたいの?」

とへびくんが聞いてくれた。

さすがの優しさである。


「マカロン!!」

私は即答した。

女子高生の好きなお菓子といえば、それはマカロン!

ふわっとしてぐにゃっとして甘い!


「マカロンかぁ。」

と、へびくんは考えこむ。

やっぱりないのかしら、最近のトレンドだしね。

こんな科学技術の進んでなさそうな所にはないのかもしれないわね。

と思ったその時。


「マカロンならあるかもしれないね!」

とへびくんが言った。


「え?あるの!?」

と私は驚いた。食べたい!食べたい!食べたい!

もう私の頭の中はマカロン一色である。


「逆に固体のチョコとかはないかもしれないね。液体のチョコはすごい昔からあるから、たぶんある。カカオは昔、お金として扱われてたくらいで、かなり昔からあるんだ。」

「そうなの??塩とかがそうだったことは聞いたことがあったけど・・・」

と私は驚いた。


「固体のチョコがないってことは液体のチョコはあるの?」

と私が聞く。


「液体のチョコってなんだろう。ココア?」

「そう、液体のチョコはかなり昔からあったみたいなんだ。この世界にあってもおかしくはない。」

とへびくんが推察する。


「昔から、人間は甘いモノが好きだったんだ。とりあえず、町に出れば情報が集められると思うけど・・・」

と、へびくんが言う。そう、私達は気軽に人間の町にはいけない・・・。 


「この姿で行ったら、確実に討伐されるな・・・」

とライオンが笑った。

そう、残念なことに討伐の危機があるのだ。

前の世界にいる時は、討伐の危機なんて考えたことなかったけど・・・


しかし、討伐の危機ってなに・・・。


「そうなのよねぇ」

と言いながらチラっと妖精くん方を見た。


「師匠!僕の出番のようですね!」

と、妖精くんが笑った。

そう、人間の町に行っても討伐されないであろう、妖精君の出番だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る