第八話『しゃべる』

今後どうするかという話をしている、私達チーマキマイラ。


「喋れるモンスターを探すとか?」

サブカルチャーに詳しくないライオンが直感的にそう思ったのだろう。

ぼそりと言った。


「それだ!」

「それだ!」

私とへびくんは同意した。


「ライオンっち、それはかなりいい案だよ!」とへびくんが乗り出して、ライオンの意見を褒める。

「そうなのか?」

ゲームなどをやらないのか、イマイチシステムが分からないという表情をしているライオン。

このシステム難しいよね〜。

少し変わってる。


「喋れるモンスターっているのか?」

と根本的質問をするライオン。

モンスターがペラペラ人語をしゃべらない方が一般的かな。

「いるだろうね」

と、へびくんが言った。

何か確信があったのだろう、即答に近いタイミングでへびくんは答えていた。


「なんで分かるんだ?そういうもんなのか?」

とライオンが聞く。

「ああ、それは簡単だよ!僕達が喋ってるから」

とニッコリ笑いながら、へびくんは言った!

もちろんチロチロと舌は出ている。

それがチャーミングに見えてくるのが不思議なところだ。


「あ、ほんとだな」

とライオンが驚く。

そう私たちは来てからずっと喋っている。

なんの違和感もなく、日本語を。


「でも、待てよ、さっきの、狼やチーターは喋ってなかったぞ」

とライオンが疑問を浮かべる。


「何かルールがあるんだろうね。レベルか種族かな?」

とへびくんが推測する。


うん、へびくんキレキレだ!

頭いいんだな〜。

タダのチャラ男じゃないのかも。


何かこの世界の特別なルール。

まずレベルがあることは判明している。

種族もあることが判明している。

そこから、推測したのだろう。


「レベル、私はわかるみたい・・・」

「ああ、「天秤 - ライブラ」だね?」

とヘビくんはまた一瞬で理解した。


「さっきのチーターはレベル15だったの。その前の狼さんの時は「天秤 - ライブラ」覚えてなかったんだけど、たぶん狼さんはレベル1。レベル1の私達がレベル上がらなかったから、同じくらいのレベルだったんじゃないかしら」と推測も交えて私が答えた。


「ヤギっち名推理!なるほどね~。レベル15のチーターが喋ってないってことは、レベルじゃなさそうだ。ということだね。スキルの線も出てきたなぁ」

「ああ、なるほど。」

「なるほどじゃねえよ。俺にもわかるように説明してくれ」

と俺様的ライオンが私に言う。


すると、へびくんがライオンにわかるように説明を始めた。

「しゃべる。というスキルがある可能性があるんだよね。ライオンっちがいきなり、炎吹けて「獄炎 - ファイヤーブレス」がレベル2にあがったところから考えるに、最初から覚えているスキルがある。その最初から覚えてるスキルに『しゃべる』が含まれている可能性がある。」

「なるほど、私達キマイラに最初からついてる可能性があるのね」

「そうそう!ヤギっちやるぅ〜」

と、両手をしなやかに動かすポーズに似せて、ヘビの体を動かす、へびくん。なかなか器用なのだった。


「つまり、「しゃべる」のスキルを持っていそうな種族を探せばいいのか」とライオンは言った。

「正解!」へびくんは笑顔で答えた。

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