第六話『最終目標』

<ヘビさんはレベル2になりました>

<ヘビさんはレベル3になりました>

<ヘビさんはレベル4になりました>

<ヘビさんはレベル5になりました>

そう鳴り響き。

さらにヘビくんもレベル5までレベルアップした。


「このレベルはなんなのかしら?スキルレベルとは別?」

と私は聞いた。

RPGのパラメータって、マニアックな物が多すぎて、女子にはちょっと難しいのよね。

男子はよく、こういうのわかるわよね、と思った。


「別っぽいね、なにかしらの連動はしてそうだけど!」

と、ヘビくんは、仮説を言った。

彼はゲームもそこそこやるし、頭も随分良さそうだ。

この話は私にはちょっと難しい。


「連動って?」

と私は聞く。

わからないことは分かる人に教えてもらう主義の私だ。


「つまり、基本レベルが上がってないとスキルレベルが上がらないとかだね」

と、ヘビくんは推測した。

まぁ、つまり全部上げなさいってことだと私は理解することにした。

それ以上のことは、いまの私には難しい。


「なるほど」

と私は言った。


「それはいいけど、これからどうするんだ?」

とライオン氏がみんなに訊ねる。


「どうするって?どういうこと?」

と、私は聞いた。

私達に選択しなんてあるのかしら?かかる火の粉をひたすら払う。

しばらくはそういう感じになるんじゃないのかしら。


「ひたすら、襲いかかってくる敵を倒していくのか?」

と、ライオンが聞く。

彼は彼でなんとなく合理主義っぽい。


「うーん、そうね」

と私は考える。


「そもそも、キマイラって何をすればいいのかしら。勇者だったら、魔王を倒せばいいのだろうけど」

と、考えてみた。

モンスターって普段何をしてるんだろう。


「なるほど、魔王に謁見して、四天王とかに入れてもらうとか?」

と、ヘビくんが、アイデアを出す。


その辺りが現実的なラインかな、と、思った。

四天王とかなかなか、かっこいい感じがする。

キマイラはそのポジションにいても全然おかしくない存在だ。


「なるほど、立身出世ね。志の高い男の人はきらいじゃないわ」

と、私は、自分の考えを口にした。


「いや、お前の趣味はどうでもいい!」

と、ライオンがばっさり言った。ひどいわ。

「ぐぬぬ。」

と私口に出してしまった。

そう言われるとそうかもしれない。


「じゃあ、あなた達はどうしたいのよ?」

と私が二人に聞いた。


「そうだねー、せっかくだから、四天王とかじゃなくて、魔王になろうよ。」とヘビくんが言った。

「えええええええぇぇぇぇぇ!!魔王!?!?」

と私は驚く。


「それまた随分志が高いわね」

「悪くないな。」

とライオンがクールに答えた。

悪く無いらしかった。


「あなた達って、思っていたよりずっと野心家なのね」

と私は言った。

そして、それは全然悪くない。

高い目標を持つことは全く悪いことじゃない。


「よし、じゃあ、私達は魔王を目指しましょう!」

こうして、私達チームキマイラの目標が決まったのだった。

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