第五話『レベルアップ』

「よし、来たぞ!!」とライオンが言う。

「わかってるわよ!!だから命令しないでって言ったでしょ!!」

と私はライオンに言いながら、戦闘モードに移る。


私は走りだした。


そう、私達は、チーターLv15と戦闘中。

戦闘中なんだけど、ライオンさんはやる気ゼロ。

ここは、私とヘビくんの二人でなんとかしなければいけない。


「とりあえず!!ここはダッシュ!!」

と私は逃げ出した!!


「どこまでやれるか、追いかけっこしましょう!!」

と私はやる気まんまんで走りだしたのだけど、一瞬で追いつかれた。

流石チーター!

最速クラスの動物!!


「まずい、まずい、まずい!!」

と私は叫ぶ。

ガンガン近づかれていく。

うしろを見ている余裕なんてないんだけど、チーターの足音がどんどん大きくなるから分かった。


「ぎゃ〜!おいしくいただかれる〜!!」

と叫びつつ走る私。


「じゃあ行きますか!」

と、へびくんが余裕の表情。

と言ってもほんとは顔は見えないから、余裕のある声を聞いた。


「よし、もうすぐで食いつかれるから、そのタイミングい合わせて、よこに飛べ!ヤギ!」

と司令塔感を出すライオン。

冷静に指示をだす。

自分は働かないで!!


「『もうすぐ、食いつかれるから!!』っておかしいでしょ!!」

そんな合図がありますか。


「はい、いち、に、の、さん!」

と、私の声には耳をかさず。

かなり気怠い感じで、カウントアップする。

そんな気怠いカウントアップするひと初めて見たわ!!

正しくは見たんじゃなくて聞いたんだけど。


その言葉に合わせて、左側にピョンと、跳ぶ私!!


どうよ!

ライオン!!

わたしの軽やかなジャンプは!!


「よし、悪くない。並走できた。そのまま走り続けろヤギ!!」

いちいち、命令口調なのが気になるけれども、そんなこと気にしている場合じゃない!私は全速力で走り続ける。


「よし、いまだ、いけヘビ!!」

「はいはい〜!」

と軽い感じで返事をするヘビくん。


一瞬助走をするように、引いて、一気に、チーターのところに飛びかかる。

実はそれは私には見えていないのだけど、尻尾の反動で、そうなのだろうな、と感じた。


「おー!!ナイス!!」

と一部始終見ていたライオンが、その戦いを見て、そう言った。


「蛇毒 - ポイズン」の威力見せてもらおう。

と、私が、隣を見た時にはもう、チーターはいなかった。


「あれ?チーターがいない!」と私が叫ぶ。

「うしろ、うしろ!」とライオンが私に言う。


「え、後ろ?」と私が振り返ると、そこにはがっくりと倒れる、チーターの姿が。


そして、いつもの声が聴こえる。

<チーターLv15を倒しました>

<ヤギさんはレベル2になりました>

<ヤギさんはレベル3になりました>

<ヤギさんはレベル4になりました>

<ヤギさんはレベル5になりました>

と、レベルが上がり続ける。

こんなにレベルが上がるなんて、私達はレベル1スタートだとして、最初の狼を倒してもレベルが上がらなかったということは、狼さんもレベル1だったってことかしら・・・。


<ライオンさんはレベル2になりました>

<ライオンさんはレベル3になりました>

<ライオンさんはレベル4になりました>

<ライオンさんはレベル5になりました>

さらに仲間のレベルアップも止まらなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る