第三話『スキル』

「ふぅ〜」とライオンが軽く息を吹いた。

確かにそんなんで、出るのかなぁ、と思うような軽い息だった。


ところがそれで正解だったらしい。

そう、私達キマイラのライオンが炎を吹いた。


辺りが火事になった。


もちろん、襲ってきていた、狼は炭になっていた。


「すごすぎでしょ・・・」

私は、素直におどろいた。


「マジか・・・」

とライオン氏は自分で出した炎に驚いている。

確かにこれがいきなりでたら驚く。


「これは凄いねぇ」

とマイルドイケメンのヘビも驚いてる。


「これは、無双の予感!」

と私は叫んだ!


無双の使い方これであってるのかしら?

こういう時には無双って言うのよね?俺TUEEEEE。

まぁ俺じゃなくて、私なんですけど。私TUEEEEEE。


<ライオンさんのスキルが上がりました。「獄炎 - ファイヤーブレス」がLv2になりました>

<ヤギさんにスキルがつきました。「天秤 - ライブラ」のLv1を覚えました。>

<ヘビさんのスキルが上がりました。「蛇毒 - ポイズン」がLv2になりました>


「なんじゃこりゃー!!」

脳内に響き渡る声に、私はビビる。


女の子にこんな大声で話しかけちゃだめだって!!

デリカシー!ないの??

ないんだろうな、いきなり女子高生をヤギにしちゃうんだもんね!


「ああ、こうやって教えてくれるんだね。レベルアップを」

とヘビくんが言う。

わりとなんでもすぐ受け入れるタイプだ。

要領がいいのだろう、ほんと。

その現実を楽しんでいくタイプだ。


「いや、しかし、いまのすごかったね。「獄炎 - ファイヤーブレス」ってレベル1でこの威力なんだ」

とマイルドイケメン風のヘビ君がそう言った。

キマイラってこんなに優遇されてるんだ、と驚いてる。


「これは、リセマラやらなくていいレベルだね。いきなりSRスーパーレア引いた感じ?」

リセマラとは、リセットマラソンのこと、最初のガチャで納得がいかなかった場合、アカウントを消してもう一回やりことを言うみたい。

お兄ちゃんがリセマラリセマラ言っていたのを思い出した。


「あ、ヘビくんソシャゲやるの?」

と私は聞いた。


「今時のイケメンはソシャゲの1つもやらないと、クラスのみんなと会話もできないからね」

と、キラっと歯を光らせていった。

さらっと自分のことイケメンって言ってましたけどね、この人。


そして、そのキラーンってなった、その歯に噛まれると、多分死ぬんだけどね・・・。

「蛇毒 - ポイズン」たぶんヤバイ。

「獄炎 - ファイヤーブレス」があの威力だからね。


「私の「天秤 - ライブラ」はなんなんだろう?」

「この流れから行くと、多分、ステータスがわかる系だよね。敵の能力とか、敵の属性とか。」

「ほほー。」

よくわからないけど、私は頷いた。

こういうのはやってみないとわからない。


「ガルルルルルゥゥゥゥゥ」

と呻き声が聞こえる。何やら獰猛なその声。

その敵を見つめると声が聞こえた。


<チーターLv15が現れた>

「あー、こういうことかぁ」

私の耳に声が聞こえてきて、チーターが現れた。


「そして、戦闘開始ってことね」

と私は言った。

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