二巻 1話 商人の密談と主人公の痴話喧嘩

 鬼神グラムが帰ってきた。


 その噂はすぐさま街中へと広がっていった。

 しかし人の噂というものはどうして尾ひれ背びれが付きやすい。ここダイアフラグでもそれは例外ではなかった。


 それどころかこの世界でのヒレの付き方はより顕著けんちょといえた。

 それもそのはず、システム側から終了を宣言されアップデートの無くなったこの世界では、こういったイベント事に多くの住民がえていたのだ。


「はぁ、グラム君がねぇ」


 セルはため息混じりにあごに手を添えた。悩んだときによくする定番のポーズだがそれに加え親指でしきりに顎を撫でるのがセルの癖だった。


 この噂を初期段階で耳にしたのは商人セルだった。

 彼は商人を名乗るだけあって独自の情報網を持っており、こういった情報にはめっぽう強かった。しかし今回に限っては交渉時の世間話の中でたまたまそれを耳にしたのだった。


 彼が聞いたのは幸運にも全体に広がる前の早い段階だった。それでもすでに噂は『グラムが戻ってくると共に街に雄叫おたけびをとどろかせ、人々を恐怖のドン底へとおとしいれた』とまでなっていた。

 真実はグラムに扮する柏木孝太が助けを求めて声を上げただけだったのだが、グラムの持つイメージと人々の退屈が事実をここまでネジ曲がらせていた。


「ん~」


 もちろんこのゲームの古参プレイヤーであるセルといえ、噂話からこの世界独特のヒレを取り除くといったわざが出来るわけも無かった。

 そもそも、事実を見抜けたところでまさか赤の他人がグラムに成り代わっているなどと推理がたつはずもない。

 だから今セルを悩ましていたのは別のことだった。


「あの~……」


 セルの交渉相手が沈黙に耐えられなくなり恐る恐る声をかける。

 彼のハンドルネームは『ぽんちょぶ』という。ぽんちょぶもまたこの世界で商人をいとなむプレイヤーの一人であった。

 元々は別のゲームをしていたのだが悪名高いセルの噂を聞きつけ、エピローグ直前にこの世界の住民となったのだった。


 ぽんちょぶはセルに憧れていた。だから今回、二年という長い年月を掛けてようやく得られたセルとの直接交渉に酷く緊張していた。

 ぽんちょぶはいづれセルの弟子になることを目指していた。そして行く行くはセルの商売テクを盗み、リアルの世界で大金持ちになることが夢だった。


「おっと、これは失礼しました。ところでその噂はいつ頃聞いたんですか?」


 何げなくした世間話に食いつかれ、ぽんちょぶは慌ててその時のことを思い出す。


「確かリアルで六時頃だったと思います」



  ♯



 ぽんちょぶがその噂話を聞いたのは一つ前の交渉帰りの、たまたま通りかかった屋台でのことだった。


 五感でプレイするこのゲームでは匂いや味もまた実際に近い形で体験することができる。

 その時、ぽんちょぶは待ちに待ったセルとの交渉に胸を踊らせながら、屋台通りをひょこひょこと渡っていた。


 普段のぽんちょぶはこういった通りを出来るだけ避けるようにしていた。

 その理由は至ってシンプルで、ゲーム内で食べ物の匂いを嗅いだり食べたりしても実際にお腹が膨れることがないからだった。

 その時は満たされた気分になるのだが、リアルに戻った瞬間いつもにまして空腹と物悲しさを覚えることとなる。

 リアルマネーが切迫せっぱくし、いつもお腹を空かしているぽんちょぶにとってそれは拷問に近かった。


 だがその時のぽんちょぶはすっかり浮かれ立ち、それと気付かず屋台通りに入ってしまっていたのだった。


 香ばしい醤油の焦げる匂いが鼻にし、ぽんちょぶが事態に気付いたときにはすでに屋台という屋台に包囲された後のことだった。

 このままでは不味い、どうにかここから脱出しなければ、とぽんちょぶがまるで捕まる犯人のように後退りをしながら周りを見渡しているとその時、後ろからある話し声が耳に入った。


「おいおい知ってるか、あの鬼神グラムが帰ってきたんだってよ。なんでも戻ってくるなりにあのドスの効いた声で怒りの雄叫びを上げたらしいぜ」


 グラム? ぽんちょぶはその単語を聞いて話に興味が沸いた。

 エピローグの間際にゲームを始めたぽんちょぶとエピローグと共に辞めてしまったグラムにはほとんど接点はない。それでもぽんちょぶはグラムの噂は知っていたのだ。

 逆に言えばそれだけグラムがこの世界で有名だとも言えた。


「ちょっとその話、僕にも教えてくれま――」


 後ろを振り返り二人に話しかけようとしたその時、ぽんちょぶの目にあるものが映り込んだ。

 それは出店にしては珍しい豚の角煮だった。実際のお祭りとは違いゲーム内だけあって屋台では様々なものが売っていた。

 思わずぽんちょぶは唾を飲み込む。

 豚の角煮、それはぽんちょぶの大好物だったのだ。


 その瞬間、ぽんちょぶの体は光に包まれた。そしてそのままその場から強制転移されてしまっていた。


 ワームギアは五感を支配する性質上、安全への考慮のため、何か外的な要因があれば強制ログアウトされるように出来ていた。ぽんちょぶはその機能により現実世界に戻されたのだった。


 そんな事情を知らない売り子と客の二人は驚きのあまり言葉を失っていた。

 目の前で誰かに話しかけられたと思い、顔を向けるもそこに誰もいないのだ。もしやその影はグラム本人だったのではないか、そんな想像に二人は震え上がった。


 これにより噂には新たに『グラムが自身の陰口をしている者を闇討ちしながら回っている』というヒレが追加されることとなった。

 そのために噂の広がりはほんの少しばかり速度を落とすこととなるのだが、それでも広がりが止むことは決して無いのだった。



 そうしてぽんちょぶは現実の世界で目を覚ました。

 何かあったのかと周りを見渡したが特に何も変わったものはない。ただ猛烈もうれつにお腹が空いていた。

 窓の外は夕日が差し込み、時計を見るとちょうど六時だった。


 彼は急いで冷蔵庫へと向かった。コンニャクで作った擬似的な豚の角煮を無心で食べる。

 そしてセルとの交渉のため、またいそいそとゲーム世界に戻っていったのだった。


 食事を前にしたこのような強制ログアウトをぽんちょぶは何度か経験していた。その度に周りを調べるのだが何も起きておらず、代わりにただひたすらに空腹だった。

 ぽんちょぶはこの現象を、ワームギアが体の変調を察知し実行しているものと勝手に思い込んでいた。


 しかしワームギアにはそういった機能は付いていない。


 実際はワームギアが彼のお腹の音を目覚ましのアラームと同じく外的要因の一つとして認識し、それ故に強制ログアウトさせられていたのだった。


 ぽんちょぶがその事実に気付くのはこれから二年も後のことになる。



  ♯



「六時……ずいぶん正確に覚えてるんですね」


「は、はい。そ、それはもちろんっ」


 その噂を聞いた時ちょうど強制ログアウトされたから、などとぽんちょぶが理由を述べられるわけが無い。ましてやその原因が空腹だったからだとは口が裂けても言えなかった。

 何れセルに弟子入りしようと野望を抱くぽんちょぶは、出来るだけセルとフェアな関係でいたいと思っていた。


「まぁ、正確ならそれに越したことは無いですけど」


 そんなぽんちょぶの慌てぶりに若干の疑問を持ちながらもセルの関心は別のことにあった。


 長いすそをたくし上げ腕時計を確認する。

 ワームギアは意識を頭のすみに集中すればそこにメニューが現れ、簡単に時間を確認出来るようになっていた。

 しかしダイアログ内ではこういった現実に近い行為をイキと考え、腕時計を付けているプレイヤーも少なくなかった。


「今が七時……うむ」


 セルは時間を確認すると再び手を顎のしたに添え考えるポーズに入った。親指が何度も顎下を行き来する。


 セルはその噂話を聞いてからずっとある考え事をしていた。

 この話の真相がどこにあるかではない。彼にとってこの噂がどれだけ飾り付けられていようと関係がなかった。


 彼の悩みは一点のみ。それはこの噂話がもうけ話に化けるかどうかということだった。


 ぽんちょぶ君が噂を聞いてから約一時間。そしてその間、自分自身の情報網にその噂が引っ掛かることはなかった。

 ということはまだこの噂はそれほど広がっていないはず……それならば――


「よし、これでいきましょう」


 セルはポンっと手を打ち鳴らした。それに合わせてぽんちょぶがぴょんと小さく跳ね上がる。


「あ、あの、どうしたんですか?」


 ぽんちょぶがおずおずと訊ねる。それを受けてセルは糸のような目をさらに細めて笑う。


「ぽんちょぶ君、この後予定ありますか?」


「えっと、特にないです」


 本来は夜勤のバイトが入っていたのだが、ぽんちょぶはそのことを黙っていた。

 ぽんちょぶの思うフェアの関係で居続けることも中々大変だった。


「それならちょっとノワールさんのとこまでお遣いを頼まれてくれますか。駄賃は弾みますよ」


 セルは小荷物と駄賃の入った袋をひょいっと投げた。ぽんちょぶはそれを落とさないように慎重に受け取る。


「あの、これって……」


 そして受け取った袋の中身を確認し、ぽんちょぶは思わず声を上げた。そこには想定の倍以上の金額が含まれていたのだ。

 その時、ふとぽんちょぶは自身の顔に影がかかるのを感じた。視線を上げるとそこにはセルの顔が迫っていた。その表情はにんまりと笑っている。

 長年セルに憧れ続けたぽんちょぶには分かった。それは悪どく稼ごうとしている時のセルの顔だった。


「それともう一つお願いがあります。ノワールさんのところでその噂を話してくらませんか。今から私の言うこと噂に追加して」


 そのあまりに禍々まがまがしい姿が、逆にぽんちょぶには神々こうごうしく感じられていた。

 その姿見に当てられ、気付いた時にはぽんちょぶは心の底から「師匠っ」と叫んでしまっていた。

 しかしその声はセルには届かない。 それもそのはず、ぽんちょぶが叫んだのはあくまで心の中だけでのことだった。


 師匠と呼ぶのは本当の師弟子関係になってから。

 それがフェアな関係であり続けたいと願う、ぽんちょぶの信念だった。



  ♯



「ん~、理由を聞かれるなり、もっと駄賃を盛られるなりされると思ったんですけどね」


 話を聞いて勢いよく飛び出していったぽんちょぶの背中をセルは見送る。丸い小さな体でちょぼちょぼと歩く姿はなんとも愛らしかった。


 セルにとってぽんちょぶとは初めての交渉だったが、そのわりにはとどこおりなく終えることが出来ていた。

 それは彼がこの日のために幾度となくシミュレーションを繰り返した成果だということにセルは気付かない。その点、ぽんちょぶの努力は成功していたかのように見えた。


「しかし、あの時おり聞こえた『シショー』というのはなんかのおまじないだったのでしょうか……」


 セルは先程の雄叫びを思いだし、首を傾げる。


 しかし奇しくもぽんちょぶの歓喜は心の壁を飛び越え口から漏れてしまっていたようだった。この事に関して等の本人は気付いてすらいない。

 今後の交渉でも度々ぽんちょぶは「師匠っ」という言葉を漏らすのだが、セルはそれを指摘することはなく、一種のおまじないだと思いスルーし続けるのだった。


 そしてこの言葉がセルに真の意味で伝わるとき、つまりはぽんちょぶがセルに弟子入りを果たすのがいつになるのかは、誰にも分からないのだった。


「まぁ、いい人そうなんで今後も仲良くさせていただきたいですね」


 これをぽんちょぶが聞いていたら恐らく嬉しさで発狂していたかもしれない。

 しかし、セルにとっての『良い人』という意味は組伏せやすい人のこと指していた。

 やはりぽんちょぶがセルに弟子入りするのは、まだまだ先が長そうだった。


「さて種は蒔きました。あとはこれが実るか実らないか……どちらにしても準備をはじめとかなければなりませんね」


 ぽんちょぶの姿が見えなくなるとセルもまた別の方向へ歩き出した。

 その口からは終止「忙しい、忙しい」という言葉が漏れていたが、等の本人は別段焦っている様子は感じられず歩みには余裕がうかがえた。

 そしてその口元、そこには不気味な笑みをたたえていた。




  ♯ ♯ ♯




 グラム襲来の噂が広がりつつあるその頃、この物語の主人公であるハチロウは酷く焦れていた。

 いや苛ついていたとも言えた。そのことにグラムの噂は一切関係がない。

 そもそもハチロウはまだこのとき噂の切れ端にすら触れていなかった。

 噂が広がる間、彼は自身のホームから一歩も出なかったのだ。


「それでアイ。どこ行ってたんだ?」


 ハチロウは今日何度言ったか分からない言葉を再度繰り返した。


「やだ。絶対答えないから」


 アイも同じ台詞をハチロウへと返す。こんなやり取りはもう一時間は続いていた。

 その光景は給食を残した生徒とそれをとがめる先生に似ていた。どちらも意地になっていたのだ。



 ことの発端はアイが散歩帰りの出来事をハチロウに話したことからだった。


 この世界に来て間もないアイはよく散歩としょうして森やダンジョンに出掛けていた。

 このゲームの初期ステージのモンスターはこちらから手を出さない限り攻撃を仕掛けてくることはなく、レベルの低いアイでも歩き回ることが出来たのだ。

 しかしあくまで向こうから攻撃を仕掛けてこないのは初期ステージに限られていた。

 奥に進めば進むほどオートエイム、つまりは無差別に攻撃してくるモンスターが増えていく仕様となっていた。


 どこまでが安全か知らない、そもそもにそれを気にもしないアイはそのために奥に進みすぎ、出会い頭に攻撃を食らうことが非常に多かった。

 その結果、歩いて帰ってくるなどほとんどまれでその散歩の大半が死に戻りだった。


 だが今回アイは珍しく生きたまま帰ってきたのだった。しかもアイテムまで持参して。


 取得したアイテムは同じギルドであるハチロウとアイで共有することになっていた。

 そしてアイが持参したアイテムを見てハチロウは疑問を抱いた。それは中級レベルのモンスターからしかドロップしないアイテムだったのだ。


 アイのレベルで、ましてや初心者丸出しのプレイングで到底倒せる相手ではない。ならば誰かに直接受けとるなり、倒して貰ったことになる。あるいは横からこっそりと盗むかだ。

 心配になったハチロウはその入手方法をアイに問い質したのだった。


 アイは帰宅した当初、酷く浮かれていた。その一挙動一挙動から何か良いことがあったのだと誰が見ても明らかだった。

 そのことがハチロウを余計に不安にさせていた。


 ハチロウにとってアイは保護対象であり、自身が守ってやらねばという使命感を持っていたのだ。

 この頃は母性ならぬ父性に目覚めつつあり、アイを優しく見守るようになっていたが、それでもまだ「お父さん」ではなく「お兄さん」と呼んでもらいたいそんなお年頃だった。

 ちなみに今までアイが『ハチロウ』と呼び捨て以外で彼のことを呼んだことはない。



 またアイはアイの方でそのことが聞かれるのをウキウキと待ち望んでいた。


 アイテムはその口実のために持って帰ってきたといっても良いくらいだった。

 自分から言うのではサプライズが足りないと必死に平常を装いながら――それが端から見てバレバレだったとしても――ハチロウがそのことを口にするのを心待ちにしていたのだった。


「このアイテムどうやって手に入れたんだ?」

「やっぱりハチロウも気になるよね、それはね――」


 ハチロウにとっては一刻も知りたい大事。

 アイにとっては焦らしたいほどのサプライズ。


 この二人の姿勢の違いが、会話を続けるにつれだんだんと噛み合わなくなり、不協和音を奏でるにはあまり時間は掛からなかった。


「どうやって手に入れたんだって聞いてるんだ。早く答えなさい」


 ハチロウはアイが中々話さないアイに苛立ちを覚え、つい声を荒上げてしまう。アイのことが心配でしてしまったことだが、そこまでアイには伝わらない。


「じゃあ言わない」


 ハチロウを驚かせようと思っていたアイはなんで怒られたか分からず、逆に驚いてしまう。ハチロウがそんな態度を取るならと、不貞腐れて口を閉ざす。


 そうして、そうなるとハチロウの中でますます疑念が広がりさらに、さらに強く問い質し始めてる。

 アイはアイで強行しようとするハチロウの態度が癪に障り、固く閉ざした口を頑として開こうとしなかった。


 そんな会話のドッチボールならぬ、相手がどこにいるかも分からない、向かい合っての壁当てがこうして一時間も続いていたのだった。


 お互いが互いを思いやっての出来事だったが、それでも相手の事情を待つことができないほどに二人の関係はまだ短く、二人ともまだまだ子供だった。

 このまま並列して続く線路のように二人のすれ違いはどこまでも平行線を辿るかのように思われた。


「よう、お二人さん」


 しかしそこに一人の参入者が現れた。

 オールバックに固めた頭に無精髭。そして顔のサイズを大きくはみ出した四角いサングラス。お隣に住むゲンさんだった。


 ゲンさんはこの世界の魚を釣り尽くすまでゲームを止めないと豪語しているプレイヤーで、今日もダンジョンに潜り日がな一日釣りに勤しんでいた。

 二人の所に顔を出したのは新種の魚をゲットし、それを自慢するためだった。


 新種を見つける度にハチロウに自慢しに行くことはアイが来る前から続く、二人の習慣だった。

 一方的に自慢話をされて何が楽しいのかと思いきや、ハチロウはこの自慢話を心待ちにしていた。こんなゲームでも目標を持って楽しんでいるゲンさんを見るとハチロウも元気を貰えるのだ。


 なんだかんだ自慢話を聞いてくれるハチロウと、珍しいものを純粋に喜んでくれるアイにゲンさんは最近、釣りにコンプリート以外の意義を見出しかけていた。

 今日も盛大に自慢話をしてやろうと捕まえた魚を取り出そうとし、げんさんは二人の違和感に気が付いた。


「お前ら……どうした?」


 ゲンさんは玄関に腕を掛け楽な姿勢を取る。長年培った人生経験が言っていた。これは面倒なことに巻き込まれるぞ、と。

 それでもちゃんと最後まで付き合ってやるつもりだった。

 それが今までこんなちんけな自分の自慢話に付き合ってくれた二人への感謝と、そしてこの先の自慢話への担保だった。


 二人は同時に顔を伏せブルブルと震えた。そして同時に顔を上げるとほとんど同じようなことを口走った。


「だってぇぇ、アイがぁ」

「だってぇぇ、ハチロウがぁ」


 お前ら子供かよ、とゲンさんはため息を着く。案の定どっちも涙声で目元に涙を浮かべていた。


「分かった、分かった。ちゃんと聞いてやるから。順番に話せよ、な」


 そうしてゲンさんは二人の間に入っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る