蛇足話 修行の製菓4? オ・シ・ゴ・トしまっす!

存在昇格?ランクアップ


 ビビオ姉と合流できたぁ!


 こうなったのは、あーでもない、こーでもない、と話し合ったわけではないが、明らかに何かの事象だろうと見当を付けたマコトとヴィヴィアン。デュオは聞いてコクコクと相槌を打つだけ。


「うーん、こんな時、ラーテルさんが居てくれたらなー」


 うーん、と伸びをしながらヴィヴィオは呟いた。


「ラーテルさんと言うと、図書館の司書長の方ですか?」

「うん。割と何でも知ってるの」

【デモ、知ラナイ事ハ知ラナイッテ! オンナゴコロトカ、全然ワカンナイッテ!】

「そ、それは、分からないかなぁ」

「そ、そうですね」


 一寸戸惑いつつも答えるヴィヴィアンと春兎ハルト マコト


【デ、ラテ兄。呼ブノ?】

「うん、呼んで来てくれると良いかな」

「そうですね、流石に異世界へ呼ぶ事は無理ですし、他の方法を考えましょう」


 呼ぶ位で来てくれればといった様子のヴィヴィアン。

 流石にそう簡単ではないだろうと割り切り、次の検討に入ろうとする春兎 一。


【ジャ、呼ンデ来ルネー!】

「ふぇ?」「えぇ?」


 戸惑うばかりの二人は置いといて、タッタカ外へと駆け出そうとするデュオ。


「ま、まった! デュオ!」「待ってください!」

【ナァニ?】


 ドアの前で立ち止まり、二人の方に向き直った。


「えっと、ラーテルさんを呼びに行くの?」


 ヴィヴィアンの問い掛けに対し【ソーダヨ?】


 ハルトからは「何処に居るのか、分かっているのですか?」


【エット、直兄ノ、ノート! アレ使ウト呼ベルノ!】

「じゃあ行こう!」

「そ、そうですね!」



   ・・・   ・・・



 ログ・ホライズンにて、頑なに貸せないと言い張る直継から手帳を、召喚を敢行するデュオ。


「うぅー、デュオ?」

【ラテ兄ドッタノ、頭痛イ?】

「うぅ、流石にアレで召喚するのは・・・」


 今回は落ち着いた状況だった為、何で召喚されたのかには気が付いた様子。一寸落ち込み気味だ。


「はぁ、まぁ仕方が無いか。

それで、ヴィヴィアンと、ハルトさんだったね」

「ラ、ラーテルさん、ですか?」


 おずおずとヴィヴィアンは尋ねた。


「え?」

「えっと、お会いした時と随分とお姿が・・・」


 ハルトは戸惑いつつ、思った事を口にした。


「あ、ああ! そっか、今はデュオの負担を減らす為に節約セーブした状態だから、一寸若返ってるみたいだね」

「そ、そうなんだ。それでちっちゃいラーテルさんに・・・」

「そうだったのですか」


 何気にヴィヴィアンの方が背が高い。


「それで、状況を説明するけど。ハッキリ言うと、あの場に居た全員がこっちに来たみたいなんだ」

「「ええっ!」」【???】

「でも、みんな帰って来れているから、後は君たちだけだね。それで、君達を捉まえたから、もう少ししたらコッチに呼べるよ。あと、この触媒だときつくて無理ウソイツワリがあるから、出来れば触媒を・・・そうだ、アレにして貰えないかな?」


 そう言って指し示す先は、幾つも並ぶ棘茨イタチブライアウィーゼルフィギュア偶像

 直継は手帳を取り戻す為、ソレは快く譲られた。


 ラーテルを召喚し直すと、棘茨イタチブライアウィーゼル? のラーテルとしてデュオの傍に落ち着いた。

 暫くはヴィヴィアンとハルトに可愛い可愛いといじり回されたとか。



   ・・・   ・・・



 後に三人を見送るついでに三日月同盟に寄った直継は、マリエールにとっつかまり、頬ずりされ弄り回されるラーテルを見て殺意が湧いたそうな。

 その後にヘンリエッタからも可愛がられそうになり、あのヤラレタ時を思い出したのか、必死になって死に物狂いで逃げるラーテルを見て、多少溜飲が下がったとか。



   ・・・   ・・・



 滞在中に必要とする金銭に関して、一時的に三日月同盟に肩代わりして貰った。


 その代り、仕事を斡旋して貰い、その報酬から少しづつ返済する事に。



   ・・・   ・・・



第一のお仕事

 ヘンリエッタの口利きにより、〈ダンステリア〉にてお手伝い?


 美少女二人による給仕と、看板息子?


「おぉーい! こっち、注文頼む!」

「はぁーい!」


 喫茶店のお手伝いの経験もあり、そつなくこなして行くヴィヴィアン。しっかり者なウェイトレス。


「こっちも、追加で!」

「は、はい! ただいま! きゃぁ!」


 そんな経験が乏しく、人見知りするハルトは慌てて転びそうになっていたり。ウッカリ者なウェイトレス。



   ・・・   ・・・



一方その頃・・・

 カフェを手伝わせるのは不安だという事で、外回りで宣伝を任されたデュオ。


「うおぉ、これがそうなのか」

【???】


 シフォンなゴーレムに腰掛け、看板を持ってアキバを練り歩く看板持ちなデュオ。

その後ろには甘い匂いに釣られてか、道行く人々が蟻の如く行列を作っていた。



 その日の〈ダンステリア〉は西風の旅団襲来以来の大忙しになったとか。


 途中、ゴーレムを摘み食いしようという輩も出たが、周りを跳ねる様に撥ね回るスライムにより撃退?


 だがしかし、この仕事は長くは続けられる事は無かった・・・。

デュオだけ務不適と他所への引き抜きによって名指しで転職?



   ・・・   ・・・



第二のお仕事?

 にゃん太とセララの口利きにより「リングイネ」でお仕事を?


 品の無い喧騒に満ちた小さな酒場。


「う、うおおおおおぉぉ!」


 目の前には、刃物ワッパを抜き掛ける優男。

その男の前には、灰色の○い物体と、その後ろに立つ小さな人影。


 ぼいん、ぼよょん、ぼいん ぺとっ!


「あちゃちゃちゃぁあっ!」


 口元を抑え、のた打ち回る柄の悪い男達。


「へ、口ほどにもねぇ!」

「これに懲りたら、ここにちょっかいを出すなよ!」

「とっとと表に出やがれ!」


 と、柄の悪い男達をつまみ出す常連の冒険者達。

どうやって外へ出すか迷っていたデュオ。


【ント、エット、アリガトー!】


 小さな子にぺこりと頭を下げられて悪い気がしない三人。


「なぁに、こん位何とも無いさ」

「おうおう、何て事はねえよ」

「ああ、こん位はしないとな。所で、この後はどうするんだ」

【ンット、ゴーレム、新型? 呼ブノ~】

「へぇー、さっきのスライムも前見た時とは違ったみたいだし」

「ああ、さっきのスライムは灰色掛っていたが、メタル系かな?」

「それは流石に聞いた事が無いぞ? ゴーレムなら分かるが。お? 呼ぶみたいだな」


 さっそく観戦体勢に入るお客達。

これ幸いと椅子を外にも並べ始め、商売を始める店員達。


 クツクツクツクツ・・・と煮える様な音と共に、白っぽい摺りガラスの様な丸く大きなモノが先ず現れ、それと共に御影石の様な肌合いの太い指が黒い帯の様なモノで掴んでいた。


「・・・な、なんだ? あれは」

「・・・石のゴーレムみたいだが、武装しているのか?」

「武装したゴーレム? そんなのは見た事が無いぞ!」


 更に指に伴い腕が、肩が、白黒モノトーンな色調の〈折り紙風〉兜を被った頭が出て来た。


「まとも、だよな?」

「・・・なぁ。なんか、熱くねぇか?」

「ああ、急に熱気が・・・ゴーレムからか?」


 胸の辺りに茶色く丸い円盤状の鎧。更に反対側の肩が、腕が、指が。

その手に掴むモノは、その手に相応しいだけの長さと太さを持つ切っ先鋭い杭。途中、白い丸太の様な物が刺さって、槌にも見えた。


「てか、あの頭は?」

「俺に聞くな!」

「気になるから、口にしなかったのに!」


 その声に気付いてか、三人の方にゴーレムの顔が向いた。


「な、なぁ、あのゴーレムの目、瞳孔が黄色く見えるんだが・・・」

「や、ヤバい? やばくないか? それ・・・」

「あ、ああ、ヤバい目付きをしているぞ!」


 やや吊り上がり気味の目付き、瞳孔の辺りがハイライトが消えた様な黄色と、その周りが極薄っすらと青味がかっている様にも見えた。


「・・・白ヒゲか」

「白ひげだな」

「白髭だが、何で?」


 顔を覆う様に、顎が白いプルプルした細いモノに覆われている。


 両腕が出て、更に胴がせり上がって来た。


「・・・なんだ? あの胴に巻き付いたのは」

「白いモンでぐるぐる巻きだな」

「・・・晒しか、腹巻か?」


 細い帯状のモノが胴に巻き付いている。

 更に下半身に至ると、キツネ色したごわついた皮の様なモノで覆われている。


「腰巻だな」

「ああ、皮みたいだな」

「何の皮だろうな?」


 まぁ、変わってはいるがそういうモノだろうと納得しかけた。

そしてついに巨体に相応しい太い足が現れ、


「・・・蹄?」

「・・・偶蹄類?」

「・・・テビチ?」


 何となく、見覚えがある様なない様な、そんな足をしていた。


「な、なぁ。今不味い事に気が付いたんだが・・・」

「ああ、オレもだ」

「衛兵、だよな」


 ここは戦闘禁止区域に該当する事をすっかり忘れて居た。


「・・・何とも無い?」

「出て来ないな?」

「まさかのお休みとか?」


 結界の復旧がまだ暫く掛る。


 現実は、衛兵は出て来たものの、石像に封じ込められたかのように身動きが取れないで居る。

 目前では、明らかに戦闘行為が繰り広げられようとしている筈なのだが、動けない。


 決してデュオの背後に見える仄暗い金の瞳が関係している訳ではない・・・筈である?(嘘々、メッチャ過干渉中・・・)



   ・・・   ・・・



「っく、こうなりゃ、先生! お願いします!」


 そう声を掛けられ、ゆらりと冒険者らしき者達が現れた。


「コイツをればいいのか?」


 こちらのステータス画面を確かめ、低レベルである事を確認すると、鼻で笑った。


「へい、お願いしやす! コイツさえ如何にか出来れば後はいかようにも」


 それを見て、


「おいおい、子供相手に何人で係るつもりだ。冒険者の風上にも置けねぇ」

「多勢に無勢だな。良し、俺はこっちに付くぜ」そう言うと、デュオの側に立った。

「お、良いな、それ。オレも加勢するぜ」


 それでも数の劣勢は覆せない。


「なんだなんだ? 旨いおでんがあるって聞いて食いに来たってのに、これからドンパチか?」

「あ゛あ゛? 関係無いならすっこんでな!」


 無頼漢な冒険者が凄み、追い払おうとするが、


「なら、腹ごしらえに俺らも参加させて貰おう、かっ!」


 そう言い放つと共に、足で蹴り飛ばした!


「俺ら〈ドレッド・パック〉もそっちデュオに加勢するぜ!」


 それでも数は相手が上回る。


「・・・はっ、この数に勝てるのかよ! やっちまぇ・・・」


 途中で男のセリフと頭が消えた。

そこには白い柱の様な槌が、振り下ろされていた。


「「「「「は?」」」」」「「「「「な?」」」」」「ぅぁちぃ!」


 何が起きたのか、分からない。

 何処からか、くぐもった声が聞こえる。白い槌の中程から、聞こえて来る気がする。


 その槌が振り上げられ見えたモノは、足らしきモノが生え、その足がジタバタとしているという事。


「・・・空洞、だった?」


 そうスマッシュが呟くと、その足が物凄い速さで迫って来た!


「ま、待ったぁ! オレは味方だぁ!」


 そう叫ぶも迫り来る槌。

自分もヤラレタ! と考えたのも束の間、側まで迫っていた敵を弾き飛ばしていた。


「あ、ありがとよ!」


 更に敵を追い散らすゴーレム。

ゴーレムが一暴れして蹴散らした所を、各個撃破する形で劣勢を覆す冒険者達。



   ・・・   ・・・



 あとは、乗りと勢いで地上げ屋の本拠を壊滅させたら・・・円卓会議からお叱りを受けた。やり過ぎだと。


〈ハンターソウル〉からの依頼クエスト

クエスト:おでん屋さんの用心棒

 最近、地上げで困っているから用心棒を雇いたい、との依頼。

 あと、従業員が嫌がらせで辞めてしまったので、店の手伝いもして欲しい。

 支払える報酬は一括払いは難しく、分割でも受けて貰えると嬉しい。


 本当はヴィヴィアンとハルトも後で合流する筈だったが、〈ダンステリア〉が盛況だったため遅れた。


 スマッシュはその後、あるキャラクターを元に一儲けしたとか?

それはおでん屋の守り神として重宝したとか?



   ・・・   ・・・



お~でぃん・ゴーレム装備

具漬具煮留ぐつぐにるの喰い〈杭〉・・・に刺さった竹輪麩・なると=槌?

 具漬具煮留の杭=狙った具材は逃さない! 刺さった具により武装が変化?

  △=槍系ランス=蒟蒻・ハンペン

  ○=鈍器系メイス=大根・卵

  □=打撃系モール=厚揚げ田楽

  ≡=鞭系ウィップ=突きコン・シラタキ

  ∞=多節武器系フレイル=ソーセージ

   全てが熱々なヒート系に!?

白黒半片モノクロハンぺェンの兜・・・頭が良く切(ら)れる〈=物理的にも知的にも〉

ラディッシュ・シールド・・・大きな根を輪切りにし結び昆布な紐で縛る盾?

すけたらメイル・・・スケトウダラな揚げ物ブレストプレートメイル=練り物サツマアゲプレート?

さらし帯・・・丈夫で切れない?=干瓢

生皮の腰巻・・・生揚げから剥ぎ取った生皮=油揚げ

豚(具)足・・・重量感たっぷり?



スライムは灰色がかり、数が増えた!?


=玉蒟蒻

 ある程度、召喚主から離れるとはぐれてドロドロになり、速攻で側溝へ消えて行く?

 そこを倒せば大量ボーナスとのうわさが・・・流れたりしているらしい?

 ローカロリー=ローEXP?



ゴーレムも石の様な色合いと共に、武装!?


体=御影石の様な色合い=蒟蒻

槍・鎚=薄茶の柄に白の穂先・熱々=竹輪な竹槍・ちくわ麩な鎚

盾=白く大きな丸盾=風呂吹き大根な円盾


頭部=味噌が詰まっている?

胴体=煮卵が収まっている?

手足=筋と豚足で構成?

骨格=竹串?


五臓六腑

 肝臓=ガンモドキ

 心臓=ロールキャベツ

 脾臓=トマト

 肺臓=はんぺん

 腎臓=銀杏

 

 胆=卵

 小腸=ソーセージ=腸詰め

 胃=厚揚げ

 大腸=ボロニアソーセージ=極太腸詰め

 膀胱=巾着

 三焦=シラタキ

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ログ・ミスチヴァス【可笑しなお菓子な召喚術師?】 トータス @tortoise

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