第3話 誤解・・・アイザックの受難?

 グッタリと意識を失うその小さな身体を見て、慌てだすメンバー達。


「あ、あの、デュオ君のMPが空になってます!」

「え? あ、ホントだ」

「という事は、さっきのお姉さんを呼び出すのに使いきったって事かな?」

「フム、ボクは召喚術には詳しくないが、状況からしてみてそうだったのでは?」

「と、兎に角、一旦戻って様子を見ましょう!」

「うん、そうだね!」

「賛成です!」

「ああ!」

「さ、そうと決まれば善は急げだ!」



   ・・・   ・・・



 急ぎアキバの街へと戻ったトウヤ達だったが、途中でMPが完全回復して目を覚ましたデュオ。


「な、何とも無いのか?」

「何処か痛いところは?」

「気持ち悪いとか、吐き気がするとか!」

「えっと、えっと、のど渇いてませんか?」

「うぅーん、熱は・・・無いみたいだね」


 だが、キョトンとした様子で何を大騒ぎしているのかといった具合だった。


「と、取敢えず、シロエ兄ちゃんに指示を仰いだ方が良い!」

「そうだね、急ごう!」


 急ぎアキバの街へと戻ったトウヤ達だったが、途中でMPが完全回復して目を覚ましたデュオ。


「な、何とも無いのか?」

「何処か痛いところは?」

「気持ち悪いとか、吐き気がするとか!」

「えっと、えっと、のど渇いてませんか?」

「うぅーん、熱は・・・無いみたいだね」


 だが、キョトンとした様子で何を大騒ぎしているのかといった具合だった。


「と、取敢えず、シロエ兄ちゃんに指示を仰いだ方が良い!」

「そうだね、急ごう!」


 トウヤと五十鈴の言から、急ぎシロエが居るギルドホール地下の共有スペースへと急行した。


「それで、召喚魔術を使ったら女の人が出て来たって?」

「はい、それもスッゴク綺麗な!」


 一寸興奮気味なセララ。


「トウヤ達は?」

「「・・・怖かった」」


 シロエからすると何が何だか判らなかったが、聞かない方が良いのだろうと判断した様だ。


「うーん、じゃあ、今は召喚できる?」


 そう言われたものの、目の端に映るタグは半透明になってビクともしない。


 フルフル!

「そっか、ココだと駄目なのか、それとも戦闘状態じゃないと呼べないのかな?」


 ・・・コクコク!

「あ、あの・・・」

「ミノリ達はその召喚術を見たんだよね」

「は、はい!」

「だったらそうなんだろうけど、まだそんな情報は聞いた事が無かったな」


 如何したモノかと考え込んでいると、闖入者が現れた。


「おう、腹グロ! お前の隠し子が来てるんだって? 俺にも紹介しろ」


 噂を聞き付け、何処からともなく駆け付けたアイザック。

デュオはその姿を見るなり、サササッとシロエの後ろに隠れた。


「へぇー、小っこいな。で、母親は誰なんだよ、おい」


 アイザックはシロエの首を抱え込む様にして聞いた。


「は? 何を言ってるんですか、アイザックさん」

「てぇと、何だ、浮気か! やるなぁ腹黒!」


 はははははっ! とシロエの背中をバシバシやっている。


「で、冗談はこの位にして、名前は?」


 そう言ってその場にしゃがみ込んで顔を覗き込んだアイザックだが、サササッと今度はアイザックの副官であるレザリックの後ろに隠れた。


「オイオイ、どうしたんだ?」

「えっと、どうしたのかな?」


 ジッとレザリックの顔を見て、念話を入れた。


「あれ、念話?」

「ああ、この子は喋れないみたいで、念話を使って話をするんですよ」

「へぇーっと、じゃあ・・・」


 レザリックはバッグから何やら道具を取り出し、念話を受けた。

するとアイザックを指差し、【黒クテトゲトゲ! ワルイヤツ!】と、その道具から声が飛び出した!

「「「「ぶふぉっ!」」」」 =男性陣


 周囲からは、クツクツとした笑いを堪え様とするのに失敗した声もかなり聞こえてきた。


「だ、ダメだよ! ひ、人を見た目で判断したら!」

「そ、そうです、幾ら悪そうに見えても」 =一応否定しない?

「はわわ、確かに黒くてトゲトゲしてますけど、悪くは・・・?」 =否定できない?


 その有り様に、ズゥ~ンと沈みこんでしまうアイザック。


「ア、アイザック、その鎧と座り方=ヤンキー座りだからそんな事を言われるんですよ」


 レザリックは一寸笑いを堪え、目を逸らしながら言った。


「な、何でだぁ!」

「そ、それだぁ!」

「ああ、成る程」


 取敢えず後ろ向きになってそっちを見ない様にして笑いを堪えている女性陣。



 後々、黒剣騎士団のアイザック、破れる!? と大々的にアキバの街で報道されたとか・・・

 それからは、アイザックは円卓会議の制服を身に着ける様になったとか? (嘘)


 作製級アイテム:【お喋りする角笛】スピーチホルンを手に入れた!

  念話をその場に居る他者にも伝わる様に出来る小さな角笛スピーカー


「これで念話を聞こえる様に出来ますから、どうぞ」

「わざわざ済みません」

「いえ、面白いモノを見せて貰ったお礼ですよ」

【アリガトー!】


 紐を付けて貰い、首から下げて彼方此方へ走り回っては、誰かに話し掛けている。


 結局、召喚騒動は解からずじまい。

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