第2話「始まりと影」
午史は これから
講義を受けるところだ。
・・・・・なぜ無駄に空白を置いたのかはスルーしてほしい。何となく文章に行間を置きたかったのだ。今後も気まぐれに文章を変な仕様に載せることはある。ご了承頂きたい。
「次の授業は・・・・・・『線形代数学』か。どんなことやるんだろう。」
履修の手引きを眺めながら、これから受ける授業への「?」マークが浮かび上がる。担当講師の名は"
#
午史は次の授業が行われる教室へ移動し、前から7~8列目の席を確保した。未だ周りには知り合いが誰も居なかったため、スマートフォンの電源を起動し、しばらくディズニーツムツムで遊んでいた。
ツムツムで詰む詰むしㄘった所で、ようやく午史の知り合い達が教室へと入ってきた。
「おぅ何だよウマシ、おまえもぅ次の授業スタンバってンの?おまえガチ勢だなーwwwwww」
「いや言うて最初は真面目に受けなきゃアカンっしょ(笑)」
「それな。・・・・でも絶対おれフェードアウトするわーwwwwww」
まだ新学期始まって間もないこのタイミングで「フェードアウトする」宣言。彼の未来をつい案じてしまうが、それはおいておくことにしよう。
「ていうか『線形代数学』って何やんの?数学?オレ数学苦手なんだよねー。。。」
理系の大学へ進んでおきながら数学が苦手と白状してしまった事をほんの少しだけ後悔した午史であったが、まぁそンなことはイイのだ。それよりも『線形代数学』というのがどんなことを勉強するのかが気になるのだ。数学・・・・なのはわかるが。名前だけ聞いてもさっぱりピンと来ない科目を勉強しなきゃいけないこと、しかもそれがよりによって必修科目なのだから、余計に心配になってしまう。
午史の後ろに座っていた、とても不思議な髪形のした知り合いが答えた。ちなみに彼の髪形は、喩えるなら、"魅惑のハッピーサマーボンバーダイナマイツジェネリックヘッドstyle"だ。どうでもいいかもしれんが、先ほどの「フェードアウトする」宣言を早くも発動したのも、彼である。
念のため言っておくが、喩えがイマイチ意味不明だという感想は、無視させて貰う。
「線形代数って、なんか行列とベクトルの計算とかやるんだってよ。ほら、高校でもやったヤツ。」
午史は頭の上に?マークを浮かべた。ベクトルは聞いたことはある。勿論、高校の数学の教科書でも取り扱った範囲だ。しかし、"行列"という概念が、彼にはわからなかった。なぜか。・・・・午史の代から、数学の教育課程から"行列"の分野が除外されてしまったからだ。
故に、午史と話した例のハッピーサマーボンバー野郎くんは、地味に浪人しているという事実が明らかになっㄘまったワケ。・・・・まァ別にそれがどうした?って話ではあるけどね。別に浪人していようがしなかろうが、大学に入学しㄘまえば同じスタートラインに立ってる訳だからな。あくまでも年齢が違うだけ。それ以外ぜーンぶいっㄘょ。・・・・まぁ状況によっては"「かっこいいものがすき。」(23歳 男性)"といった本当にシュールな具合になってしまうが。
午史は、頭の上に浮かべていた?マークを手に取り、それを齧りながら履修の手引きを見た。
ちなみに今日の?マークは、メロンソーダ味だ。
「ところでこの"斉藤 華香"っていう人ってどんな感じの教授なの?」
午史は、聞きたがりだ。知らないことがあると、どうしても誰かに聞きたくなってしまう。
今度は、さっきのボンバーヘッドㄘゃんとは違う知り合いが答えた。余談だが彼は、逆立ち検定4級を保持している。(以降、「逆立ちくん」と表記する。)
「俺の居るハイサブカルチャーショック
教授の性格云々を指摘する以前に、君はそもそも
ちなみに先ほどの逆立ちくんは北陸出身でも、ガンボジア出身でもない。
しかし、そんな破綻した逆立ちくん氏の言葉を頑張って理解してゆくうちに、教授の性格はとても褒められたようなモノではないという事実がわかってしまった。
なんでも、男子大学生のグループと合コンを開いた際、相手よりもずっと年上でいて且つ社会人でありながら、収入もロクにないペーペーな男子大学生たちに本来の費用の2倍の金額を払わせたことがあるのらしい。(しかも事前の費用すら知らせていなかった。)"私は女性なんだから会費はアンタたちが多く払って当然"というスタンスなのだそうだ。ちなみにその時、華香ちゃん率いる女性陣(なお他の女性も年齢高めな模様)は男子大学生の払った金額の半分程度しか払っていなかったそうだ。
うん、オレら事前に費用を知らされず、その場で5000円近くも払わされるの知ったンすよ。あんたら2500円で済んでましたけどね。
なーにが「今日はとても楽しかったよーヽ(´∇`)人(´∇`)ノ 」じゃ。「また飲もう~(* ̄▽ ̄*)」って。てめェーの
ともかく、その話も相まって、午史はより不安を抱いてしまうのだった。
「(やっぱそういうヤツっているんだな…大丈夫かこの大学…)」
不安が頭の中を巡っているうちに、授業の始まる鐘の音が鳴った。
「(大丈夫かな…授業ついていけるかな…)」
始まりの鐘が鳴り響き、午史はただ真面目なふりをする。
それでも不安は消えないままだった。
そして、午史は気づかなかった。
彼が思うよりも遥かに深く、仄暗い闇が、すぐ傍にあるということを。
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