第67話

「これで捜査はすべて終了だ」

 生徒会長たちに対する取り調べが終わって数日後のことだった。僕は仲間全員を教室に集めて捜査の終了を宣言する。

 僕の言葉に一番に反応したのは風音だった。

「じゃあ、結局、うちらの周りにはスパイは居なかった。そういう結論になるわけ?」

「そういうことだな」

「なんかすっきりしないわね」

 風音が言う事も最もである。

 僕は風音のことばに応えて言う。

「気持ちは解るが、あくまでスパイがいるっていう情報があっただけで、『僕たちの周りに居る』なんて誰も言っていないからな。マジカルバトルは世界各地で行われている。そのどこかに居る関係者の中に裏切り者が居るんだろう。もともと、僕たちがその犯人に当たる確率っていうのはそう高いものじゃない」

「まあ、それはそうか」

 風音は言葉の上では納得しながらも、どこか釈然としない様子だった。

「でも、これで全部終わったんだよね」

 そう言ったのはそよぎだった。

「これで全部元通りになるんだよね?」

 そよぎの言葉にはきっと色んな意味が込められているのだろう。

 僕はそれを理解したうえで言う。

「そうだな……」

 もうすぐこの長かった苦しみも終わる。

 僕もそよぎに正面から向き合うことができる。

「では、正式にこの場で捜査の打ち切りを宣言する」

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