概要
消そうとしたコードは、誰かを守った夜の痕跡だった。
大阪の中堅商社・大洋産業。創業三十六年の会社を支える基幹システム「T-MIND」は、三十年近いつぎはぎ改修の末、誰にも全体がわからないブラックボックスと化していた。
新設されたDX推進室に、大手ITコンサルから転職してきた新城蓮(二十八歳)が乗り込んでくる。
「こんなスパゲッティコード、解読する時間すら無駄です。全部捨ててクラウドに移しましょう」
ところが、無駄な処理を一行消そうとするたびに、社内の誰かが血相を変えて止めに来る。一円のズレも許さない経理の鬼。何を考えているかわからない無口な係長。勤務中に居眠りばかりしている定年間近のベテラン。
「消すのはええけど、誰が書いたかは見たん?」
T-MINDを三十年守ってきた保守エンジニア・渡辺繁に導かれ、新城はコードの奥へ潜っていく。そこ
新設されたDX推進室に、大手ITコンサルから転職してきた新城蓮(二十八歳)が乗り込んでくる。
「こんなスパゲッティコード、解読する時間すら無駄です。全部捨ててクラウドに移しましょう」
ところが、無駄な処理を一行消そうとするたびに、社内の誰かが血相を変えて止めに来る。一円のズレも許さない経理の鬼。何を考えているかわからない無口な係長。勤務中に居眠りばかりしている定年間近のベテラン。
「消すのはええけど、誰が書いたかは見たん?」
T-MINDを三十年守ってきた保守エンジニア・渡辺繁に導かれ、新城はコードの奥へ潜っていく。そこ
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