概要
三年、付き添った。呼ばれたのは、俺の名前だった。
三年間、毎月の通院に付き添った。半休を取り、お薬手帳を預かり、薬局の窓際の二番目の椅子で彼女の名前が呼ばれるのを待った。
「付き添いはいらない。恋人っていうより、保護者みたい」
四月の受診日、水野千尋はそう言って、俺・春日悠真と別れた。付き添いは、その日でやめた。
翌週、通勤路の「しらいし薬局」から電話が来た。かけてきたのは、三年間ずっと処方箋を受け取っていた薬剤師の白石凪さん。
「春日さん。お薬の件で、少しお話しできますか」
呼ばれたのは、彼女の名前ではなく、俺の名前だった。二週に一度、同じ胃薬を買い続けた三年を、凪さんだけが知っていた。
元カノは初めて一人で病院へ行き、薬局の奥でお茶を出されている俺を見る。「そこ、私の席だった」。
手帳は次の受診日までに返す。それまでの二十八日、付き添う
「付き添いはいらない。恋人っていうより、保護者みたい」
四月の受診日、水野千尋はそう言って、俺・春日悠真と別れた。付き添いは、その日でやめた。
翌週、通勤路の「しらいし薬局」から電話が来た。かけてきたのは、三年間ずっと処方箋を受け取っていた薬剤師の白石凪さん。
「春日さん。お薬の件で、少しお話しできますか」
呼ばれたのは、彼女の名前ではなく、俺の名前だった。二週に一度、同じ胃薬を買い続けた三年を、凪さんだけが知っていた。
元カノは初めて一人で病院へ行き、薬局の奥でお茶を出されている俺を見る。「そこ、私の席だった」。
手帳は次の受診日までに返す。それまでの二十八日、付き添う
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