概要
捨てられた荷物も、置いていけない人も。俺の仕事は、帰すことだ。
「帰り道を整える時間に、金は払えない」
ダンジョンの採掘隊で三年間、荷物を運んできた佐久間律は、その言葉で契約の更新を断った。手元にあるのは、少しの貯金と使い慣れた道具。そして、一度歩いた道へ荷物を戻すだけの技能〈返路〉。
強敵を倒せるわけでも、宝を見つけられるわけでもない。だが、壊れた台車の代わりに一枚の板を敷いてみたら、捨てられるはずの鉱石が、初めて自分の稼ぎになった。
救護員の深町澪、修理工房の店主、地図を作る調査員。出会った人たちと小さな運送屋を始めた律のもとへ、やがて「荷物」では済まない依頼が届く。
動いてしまう床。遠すぎる救護所。一人では運びきれないもの。
距離も重さも、技能の限界は変わらない。それでも工夫して、道をつなぎ、仕事を分ければ、帰せるものは増えていく。
こ
ダンジョンの採掘隊で三年間、荷物を運んできた佐久間律は、その言葉で契約の更新を断った。手元にあるのは、少しの貯金と使い慣れた道具。そして、一度歩いた道へ荷物を戻すだけの技能〈返路〉。
強敵を倒せるわけでも、宝を見つけられるわけでもない。だが、壊れた台車の代わりに一枚の板を敷いてみたら、捨てられるはずの鉱石が、初めて自分の稼ぎになった。
救護員の深町澪、修理工房の店主、地図を作る調査員。出会った人たちと小さな運送屋を始めた律のもとへ、やがて「荷物」では済まない依頼が届く。
動いてしまう床。遠すぎる救護所。一人では運びきれないもの。
距離も重さも、技能の限界は変わらない。それでも工夫して、道をつなぎ、仕事を分ければ、帰せるものは増えていく。
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