概要
天が捨てたものは、全部俺が喰ってやる。
宗門の片隅で、丹薬を練る炉の番をしている少年、陸燼。
才能を測る石は、彼が触れると灰色に濁り、「測定不能」と出た。三年たっても、修行はいちばん下の段階のまま。作る丹薬は、なぜか全部が黒く濁った失敗作になる。
ついたあだ名は「失敗作の燼」。
それでも燼は、失敗作を捨てなかった。もったいないから、こっそり食べていた。三年間、毎晩のように。
ある夕暮れ、宗門のゴミ捨て場の崖から蹴り落とされた燼は、三百年分の失敗作が積もった谷の底で、ひびだらけの小さな炉を拾う。
炉に棲んでいたのは、口の悪い老婆の霊だった。
「……ひどい味じゃ。三年分の丹毒を腹に溜めた小僧なぞ、初めて見たわ」
――還炉、起動。
捨てられた失敗作を喰えば、修行が進む。
体を硬くする丹の失敗作を喰えば、鉄の肌が手に入る。
敵が放っ
才能を測る石は、彼が触れると灰色に濁り、「測定不能」と出た。三年たっても、修行はいちばん下の段階のまま。作る丹薬は、なぜか全部が黒く濁った失敗作になる。
ついたあだ名は「失敗作の燼」。
それでも燼は、失敗作を捨てなかった。もったいないから、こっそり食べていた。三年間、毎晩のように。
ある夕暮れ、宗門のゴミ捨て場の崖から蹴り落とされた燼は、三百年分の失敗作が積もった谷の底で、ひびだらけの小さな炉を拾う。
炉に棲んでいたのは、口の悪い老婆の霊だった。
「……ひどい味じゃ。三年分の丹毒を腹に溜めた小僧なぞ、初めて見たわ」
――還炉、起動。
捨てられた失敗作を喰えば、修行が進む。
体を硬くする丹の失敗作を喰えば、鉄の肌が手に入る。
敵が放っ
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