概要
伯爵令嬢フィルメナは、婚約披露の夜会で最初の一曲を踊るのを楽しみにしていた。ところが婚約者は、彼女とのダンスを友人相手のカード勝負に賭けてしまう。怒れば冗談の通じない娘。断れば彼の顔を潰す娘。以前もそう言われ、笑ってきた。それでも今夜こそ嫌だと伝えると、彼は皆の前で一緒に笑ってくれたら取りやめると言う。フィルメナは返事をする前に、帰りの馬車を呼んだ。主催夫人へ向かう途中で出会ったのは、母の友人の息子ゼルガード。踊りの話になると急に口数が増える、少し変わった人だった。彼と話していると、笑い方まで忘れたわけではないとわかる。もう一度広間へ戻った彼女が選ぶのは、あの婚約者と踊ることではなかった。
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