概要
「宝箱は、噛みつくのが仕事だ」と怒るボスより、俺の前の列が長い。
俺は宝箱だ。ダンジョンの三階で、冒険者に開けられるのを待っている。
前は会社員で、客に合う品物を選んで売っていた。
箱になった今も、蓋を開けた冒険者の顔を見て、中身を決めている。
新人の冒険者チコは、毎日いちばん先に俺を開ける。
「薬草が切れてたの、なんで分かったの?」
傷薬を入れておいた日から、チコは五日続けて無事に戻ってきた。
蓋を開けた客は、決まって「当たりだ」と叫ぶ。
隅っこの古い箱なのに、開ける順番を待つ冒険者が三十人になった。
この階のボス、オーガのグラッドは、客を取られて面白くない。
隣の宝箱と張り合ううちに、勇者たちまで列の後ろについた。
魔王から幹部の誘いが来たが、箱なので返事を書く手がない。
前は会社員で、客に合う品物を選んで売っていた。
箱になった今も、蓋を開けた冒険者の顔を見て、中身を決めている。
新人の冒険者チコは、毎日いちばん先に俺を開ける。
「薬草が切れてたの、なんで分かったの?」
傷薬を入れておいた日から、チコは五日続けて無事に戻ってきた。
蓋を開けた客は、決まって「当たりだ」と叫ぶ。
隅っこの古い箱なのに、開ける順番を待つ冒険者が三十人になった。
この階のボス、オーガのグラッドは、客を取られて面白くない。
隣の宝箱と張り合ううちに、勇者たちまで列の後ろについた。
魔王から幹部の誘いが来たが、箱なので返事を書く手がない。
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