概要
八百年ぶりの故郷の船は、口を利き、恋にまで口を出す。
太陽系から来た、と、その船は言った。
だが、その船には、エンジンがなかった。
火星で起きた事件を機に、人類の一部が故郷を離れて八百年以上。
その末裔たちは、外宇宙で異星文明と渡り合い、帝国や王国を築いていた。
帝国辺境監視艦《冬椿》の艦長・瀬名アキ、百六十四歳。
戦争を三つ、結婚の失敗を二度経験した彼女の望みは、静かな辺境勤務と、艦内菜園の大根の収穫だった。
ところが現れたのは、帝国製でも王国製でもない、銀色の宇宙船《あけぼの》。
船内には森があり、機関室は時々引っ越す。船そのものが意思を持ち、乗員の世話を焼いている。
乗っていたのは、四百三歳の船長と、姿も事情も異なる三人。
その一人、若い男に見えた交渉担当・水瀬遼は、アキより年上の二百十八歳だった。
故郷の使節を迎えるはずの出会いは、や
だが、その船には、エンジンがなかった。
火星で起きた事件を機に、人類の一部が故郷を離れて八百年以上。
その末裔たちは、外宇宙で異星文明と渡り合い、帝国や王国を築いていた。
帝国辺境監視艦《冬椿》の艦長・瀬名アキ、百六十四歳。
戦争を三つ、結婚の失敗を二度経験した彼女の望みは、静かな辺境勤務と、艦内菜園の大根の収穫だった。
ところが現れたのは、帝国製でも王国製でもない、銀色の宇宙船《あけぼの》。
船内には森があり、機関室は時々引っ越す。船そのものが意思を持ち、乗員の世話を焼いている。
乗っていたのは、四百三歳の船長と、姿も事情も異なる三人。
その一人、若い男に見えた交渉担当・水瀬遼は、アキより年上の二百十八歳だった。
故郷の使節を迎えるはずの出会いは、や
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