概要
母が借りた三十年の寿命——俺は死人の遺言を綴って、二十歳までに返済する
母が借りた三十年の寿命——俺は死人の遺言を綴って、二十歳までに返済する。幼い頃、病で死にかけた俺を救うため、母ロリーナは寿命商会から三十年を借り、その返済に働き尽くして死んだ。残された借金の期日は、俺の二十歳の誕生日。俺は旅を続ける。死にゆく人の最期の声を聴き、代わりに遺言を綴り、彼らが残していく寿命を少しずつ商会の帳簿に返していく——それが『余命返済人』という生業だ。だが、寿命商会は本当は返済など望んでいなかった。借金を永遠に続けさせることで、俺を永遠に働く駒にするつもりだったのだ。検品官の娘ティラが差し出した一枚の帳簿。そこに記されていたのは、頭取ドゥカの、不自然な年齢だった。借り物の命で、俺は秤を正しに行く。
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