概要
中身は己を律してきた鉄の男。その体が、意志に逆らい応えていく――。
道場の火事で、俺は死にかけた。助かる唯一の道が、先端医療の「全身再生治験」だった。
目を覚ますと、俺は――見知らぬ、若い女の体になっていた。中身は、四十一年、剣の道で己の心身を律してきた男、黒木玄一郎だというのに。
元の男の体に戻すには、条件がある。新しい体の神経が定着したかを測る「感応調整」を、規定回数、受けること。戻るために、己の体を、他人の手に明け渡す工程を、耐え抜かねばならない。
山中の隔離施設。白い調整室。無表情の主治医、氷見。
鉄の克己心で、俺はあの刺激を、易々と耐え切ってみせた。――はずだった。だが回を追うごとに、この体は、俺の意志より早く、俺の知らない場所で、応えるようになっていく。
先にいた被験者たちは、どこへ消えたのか。「戻れた人を、一人も知らない」と、
目を覚ますと、俺は――見知らぬ、若い女の体になっていた。中身は、四十一年、剣の道で己の心身を律してきた男、黒木玄一郎だというのに。
元の男の体に戻すには、条件がある。新しい体の神経が定着したかを測る「感応調整」を、規定回数、受けること。戻るために、己の体を、他人の手に明け渡す工程を、耐え抜かねばならない。
山中の隔離施設。白い調整室。無表情の主治医、氷見。
鉄の克己心で、俺はあの刺激を、易々と耐え切ってみせた。――はずだった。だが回を追うごとに、この体は、俺の意志より早く、俺の知らない場所で、応えるようになっていく。
先にいた被験者たちは、どこへ消えたのか。「戻れた人を、一人も知らない」と、
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