幽霊をクマのぬいぐるみに宿らせる、どこか愛らしい設定に惹かれて読み進めると、子どもたちの笑顔の裏にある痛みと、主人公が抱えてきた喪失が胸に迫る。自分の子を持てなかった彼女が、それでも保育士として子どもたちを愛してきたこと。その人生を知るほど、最後に選ぶ願いの重みが増していく。夫に伝えたい感謝も、叶わなかった夢もある。それでも彼女が託すのは、自分にはもう見届けられない子どもたちの未来だった。優しい物語だからこそ、別れの決断が静かに心に残る。
ありがとう。感謝を伝えられると、うれしくなる。うれしくなると、人は、その代償に行動を取る。ありがとうの代償。その、お礼に、他意はない。純粋な感謝。けれど、その純粋さが、人を動かす。
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