概要
函館の港から、自由への航海が始まった。
幕末、武家の子として生まれた新島襄は、蘭学を通じて西洋文明に触れ、閉ざされた日本の外に広がる世界に憧れを抱く。家への義務と自由への渇望の間で葛藤する彼は、学問を口実に函館へ向かう。四十日間の滞在で、宣教師や外国商人との交流、港に停泊する異国の船を通じて、海の向こうにある学問と自由への思いを強めていく。そしてついに、国禁を破って海外へ渡る密航を決意する。恐れを抱きながらも、自らの信念と日本の未来を信じ、函館の港から未知の世界へ。後に同志社を創設し、「良心」を重んじる教育を築く新島襄。その大きな歩みは、若き日の孤独な決断から始まった。