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概要
目の前の命より大切な命がある。期待値は、そう告げた。
前世、給料の七割を寄付し続け、三十一の冬に過労で死んだ男がいた。
信条は「同じお金なら、いちばん多くの命を救える使い道を選べ」。効果的利他主義と呼ばれる考え方だ。
異世界に転生した彼、ハカルが授かった魔法はひとつだけ。
思い浮かべた行動が、人類全体の幸福をどれだけ増やすか。その「期待値」が数字で見える。
いちばん大きい数字を選び続けて、ハカルは魔王を討った。
褒美は、王女ティアとの結婚。この国では、王女の夫が王になる。
ハカルは数字も見ずに断った。「それは私ひとりの幸福です」
二年後。王女は「聖女王」として玉座にいた。
目の前のひとりを決して見捨てない、優しすぎる女王。
その治世の十年先に、ハカルの魔法は国の崩壊を見る。
並べた選択肢のうち、プラスの数字はただひとつ。
――女王を、玉
信条は「同じお金なら、いちばん多くの命を救える使い道を選べ」。効果的利他主義と呼ばれる考え方だ。
異世界に転生した彼、ハカルが授かった魔法はひとつだけ。
思い浮かべた行動が、人類全体の幸福をどれだけ増やすか。その「期待値」が数字で見える。
いちばん大きい数字を選び続けて、ハカルは魔王を討った。
褒美は、王女ティアとの結婚。この国では、王女の夫が王になる。
ハカルは数字も見ずに断った。「それは私ひとりの幸福です」
二年後。王女は「聖女王」として玉座にいた。
目の前のひとりを決して見捨てない、優しすぎる女王。
その治世の十年先に、ハカルの魔法は国の崩壊を見る。
並べた選択肢のうち、プラスの数字はただひとつ。
――女王を、玉
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