概要
宇宙のすべてが冷めていく。だからこそこのおむすびは熱いうちに食べて――
すべての星が冷めていく、はるか未来の宇宙。
小さな赤い星の軌道に、一軒の大衆食堂がある。
暖簾、木のカウンター、丸椅子が八脚。
品書きは七品。カレーだけは、一度も注文されたことがない。
店主のカナメは、料理の味を知らない。閉鎖を勧告しに来た監査役のナギは、何でも数字で測りたがる。店の明かりが落ちるまで、残りは三日。常連客の到着は三日目の夕方。ぎりぎりで間に合うはずだった。
そこへ流れ着いた保存装置の中で、十歳の少女ハルが眠っていた。起こせば、店の寿命は、一日縮む。常連客には、もう間に合わない。
卵焼き、具のない味噌汁、そして最後のひとつまみの塩。一釜分の火を入れるために、誰かが何かを差し出していく。
味を知らない料理人が、最後の人間の子どもに、塩むすびを握ってもらう。
小さな赤い星の軌道に、一軒の大衆食堂がある。
暖簾、木のカウンター、丸椅子が八脚。
品書きは七品。カレーだけは、一度も注文されたことがない。
店主のカナメは、料理の味を知らない。閉鎖を勧告しに来た監査役のナギは、何でも数字で測りたがる。店の明かりが落ちるまで、残りは三日。常連客の到着は三日目の夕方。ぎりぎりで間に合うはずだった。
そこへ流れ着いた保存装置の中で、十歳の少女ハルが眠っていた。起こせば、店の寿命は、一日縮む。常連客には、もう間に合わない。
卵焼き、具のない味噌汁、そして最後のひとつまみの塩。一釜分の火を入れるために、誰かが何かを差し出していく。
味を知らない料理人が、最後の人間の子どもに、塩むすびを握ってもらう。
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