概要
「一度も使われていませんね。だから状態がいい。三万円です」
東京、御徒町。ダンジョンから出た品を買い取る店で、僕は値をつけています。
「これは二年前に買われて、一度も使われていませんね。だから状態がいい。三万円です」
僕が見ているのは、物の状態だけです。持ち手の艶。塗装の剥げ方。留め具の緩み。
そこから履歴を読んで、金額を言う。それだけが仕事です。
なのに客は、しばらく黙ってから「なんで分かったんですか」と言って帰っていきます。
僕は資格の等級で言えば三級です。いちばん下です。
値をつけているだけなのに。
――ダンジョンに潜らない鑑定士の話です。
戦闘はありません。いちばん効く一言が「八千円です」だったりします。
毎朝7時10分に更新します。
「これは二年前に買われて、一度も使われていませんね。だから状態がいい。三万円です」
僕が見ているのは、物の状態だけです。持ち手の艶。塗装の剥げ方。留め具の緩み。
そこから履歴を読んで、金額を言う。それだけが仕事です。
なのに客は、しばらく黙ってから「なんで分かったんですか」と言って帰っていきます。
僕は資格の等級で言えば三級です。いちばん下です。
値をつけているだけなのに。
――ダンジョンに潜らない鑑定士の話です。
戦闘はありません。いちばん効く一言が「八千円です」だったりします。
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