特に印象に残ったのは、瑛莉が見知らぬ女の子のぬいぐるみを届けるために走る場面です。アキレス腱を断裂し、もう走れなくなるかもしれないと分かっていながら、それでも女の子のために走り続ける姿には胸を打たれました。自分の宝箱にあった古いぬいぐるみと、女の子が大切にしていたぬいぐるみが重なるところもよかったです。そして、最後に撮った星空の写真が真っ黒だった場面。昔の思い出ともつながっていて、印象的でした。世界は本当に終わったのか、瑛莉はその後どうなったのか。読み終わってからも続きが気になる作品でした。素敵なお話をありがとうございました。
最後の大会でアキレス腱を切り、陸上に捧げた三年間を「未来のため」に終わらされた高校生・安達瑛莉。広告だらけのサイトで見つけた胡散臭い終末予言を口実に、彼女は貯金を下ろし、子どもの頃に見た星空の島を目指して一人旅に出ます。「今を使い切る」とはどういうことか。その答えを痛快に走り抜けて見せてくれる、夏の終わりの青春ロードノベルです。
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