「未来を予知するメモ」だと思って読んでいると、少しずつ意味が変わっていきます。ラーメン屋、傘、そして「明日人を殺す」。怖いのは予言が当たることではなく、書かれた内容に自分が追い込まれていくことです。さらに文字の正体が判明した瞬間、「誰かが書いている」という逃げ道まで消えてしまいます。最後の「殺した後、風呂に入った」という一文が、それまでの出来事を別の形で繋ぎ直す構成も巧いです。
自分がするべきことを忘れないために、記録するもの、メモ。メモはいろいろ。日頃持ち歩くスマホ。昔ながらの、ペンなどで書き記す紙。いずれにしても。一致していればよいのですが。記録と、行動と、記憶と。一致しなければ、膨らみます。疑念、物。いろいろと。約900字の文章が示すメモの余白を。想像・推理しながらお楽しみいただきたい作品です。
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