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カクヨム三か月半

 GWに入り、時間に余裕ができていくつかの小説投稿サイトを拝見しました。
 その中で個人的に若干気になったのが、生活のため無理を押して重労働に従事し続け身体をこわした妊婦が出産を敢行する話、それから正義感溢れるたくましい主人公が、コソ泥を犯した子どもをしばき倒す(愛の鞭、というのでしょうか……)話が、ともに非常に感動的な形で描かれていた作品でした。
 「昭和」の時代、このような作品はテレビでも漫画でも児童文学でも、あちこちに溢れていました。自分の恥をさらしますが、子ども時代、そういったものに単純に感化された私は、こともあろうに、小さな過失をおかした年下の子をしばき倒したことがありました。大人からは通り一遍の注意をされただけで、うやむやで終わってしまいました。
 たとえ子ども同士でも、強い立場の者が弱い者に手を上げるのは、最低です。また、母体保護・無痛分娩を否定する母性神話のようなもの(出産=おなかを痛め、命をかけてナンボ)が多くの女性を苦しめている現状があります。
 フィクションの世界にむやみにリアルを持ち込むのは野暮の骨頂だとは思います。しかし、自分が書いているものが、弱い立場の人々をさらに追い詰めることになってはいないか、折に触れて省みなければと感じ始めています。
 自分の書いたものが社会矛盾を追認したり、人権侵害(ルッキズム等々)を助長してはいないか。直面する問題を解決するのに、弱い立場の人に当然のように努力することを求め、それができないのは自己責任だというように読み取られてしまうような内容になっていまいか。
 カクヨム活動のスタートがオンラインゲームの二次創作だった関係で、この間いくつか部活動ネタを書き散らしています。私は、日本の学校(特に中高)の教員が部活動の顧問をさせられている――長時間無償労働、専門外かつ過重責任を負わされる労働を強いられている現状は、絶対に許されないことだと考えています。
 このへんのことを狸たちに助けてもらいながら、いつの日か作品に落とし込んでいきたいと常々考えてはいるのですが、あまりの力不足にただ茫然としております。
 まとまらない文章で、すみません。
 

6件のコメント

  • よくわかります。今時はコンプライアンスだなんだと創作でもうるさい時代、
    物語一つ書くにも色々考えさせられますよねぇ。

    でも気にする事はないと思います。お金を貰ってやってるわけじゃないし、
    なにより自分の実体験や、日頃思っている自分の中の感情を文章にして発露するのは
    物語により深みやリアリティを持たせる大きな力になると思います。

    ソフトでストレスのないライトノベルが流行る中ではありますが、なにも
    それに追随して自分の執筆スタイルを曲げる必要はないと思いますよ。

    ・・・・・・まぁそんな考えですから、自分は底辺物書きなんですけどねw
  • その時どきの「正しさ」は怖いです。戦中戦後の火野葦平が「兵隊ものの作者」であることに翻弄された姿から見えてくるものは重いです。でも『花と竜』、『陸軍』は好きです(笑)

    若干話がずれて恐縮なんですけど、東日本大震災の被災地に住んでます。おもに自分のまわりだけの話なんですが、私含めて震災を扱ったフィクションいまだに避けますね。

    「芥川賞、被災地の作家の被災地のはなしか。めでたいね! 私は読まないけど」「わたしもー。めでたいけど」

    こないだ複数人がこんな感じなのを目の当たりにしまして、自分が打たれた側だとフィクションに対してもこうなるんだなあと思いました。私もなんか、〈震災から考えたこと〉が書いてあるのは読めるけれど、大抵ダメです。

    ずれたままで、失礼します。
  • フィクションの力を信じたいですね。信じましょう。
  • 三流FLASH職人様
    倉沢トモエ様
    知良うらら様

    コメントありがとうございます。

    表現の自由は主張したい、かつ、弱者・マイノリティが直面させられている不条理に対して無関心――このような状態は間違っているのでは、と感じ始めています。
    ゴーマンかましますが、フィクションの力によって、強者・マジョリティの側が自分達の問題としてこれらの不条理に向かい合えるようになればと思うところがあります。

    これからも、書きつつ読みつつ考えていきたいと思います。
    今後もよろしくお願い申し上げますm( - -)m
  • 近況ノートに失礼いたします。
    この度は「1人の読者になります。」にご参加くださりありがとうございました。

    私の作品に応援をいただきましたが、読まなくなった理由をご希望ということでよろしいでしょうか。
  • 拝復

    読み合いのつもりで拝見させて頂き、読みましたという感じで❤をつけさせて頂きました。

    拙作ご覧頂き、また近況ノートにコメントありがとうございました。お手数でないようでしたら、頂門の一針お願い申し上げます🙇
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