• エッセイ・ノンフィクション
  • 現代ファンタジー

同ヴァン全話のネタバレを含みます 言い訳ありますw




いつもありがとうございます。
感謝しております。優夢です。
入力が面倒な場合、ゆむ、と気軽にお呼びください。(正しい読みはゆうむですが、画数が悪いのでw)

『同僚がヴァンパイア体質だった件について』 完結しました。

もう、12時になっても何もアップされない! さみしい! 当然ですけども!
作者が一番、ハート来るかな、あわよくばコメントくるかな、ビュー増えるかな、とわくわくしていた毎日でした。

あまりにもきれいなエンドでまとまってしまったので、続編を書くならきちんとプロットがいるでしょうし、書ききれなかったキャラやエピソードの番外編なら、別タイトル作ってそっちにアップもありかも、と思っています。

ちなみに、何度か言い訳(でしかない)していますが、私は感想への返事が遅いです。
緊張して挙動不審になって、何度も感想読み返して、「いや、さっさと返事しろよ!」ってなります。
ありがたすぎて、お返事に戸惑うという悪癖をなんとかしたいです。
嬉しいコメントに、慣れていないんですよ~!

これ書いたら、皆様に心からのお返事書こう。

コメントにはお返事しますが、レビューには反応しないことにしました。
何故って、なんかもう、レビューって作品じゃん、って感動してしまって。
作品を全部通して、こうであるというお言葉と想いがこもったものに、作者が下手に感謝とか(感謝しない訳ないので)、ああだこうだ言葉をくっつけるのは無粋な気がして。
レビューはレビュー単体で、あの素晴らしさをいろんな方に見てほしい……!

いつも思いますが、コメントやレビュー書ける人って、すごい才能があると思います。
私は、ある程度まとまったところまで読まないと、感想ってわいてこないタイプです。
毎回、区切りが悪かったり間延びしてる回でも、言葉を残してくれるのって、天才じゃないですか。
感受性が研ぎ澄まされてる人ではないですか。
特にレビューはもう、単体の一作品ですね。
その方の凄さが見えて、私は何というすごい人に読んでもらっていたんだ、と思います。

読者と作者に、上下や優劣はないと思っています。(私に限り、読者様のほうが上だと思っています)
書くほうも読むほうも、芸術家です。

なんか、そういう芸術家同士が交流できる場所があるって、ほんと嬉しいですね。

また新しい何かを書こう!
どんなものになるかわからないけど!


---------------------
ここからは、同ヴァンの執筆裏話やらそういうものです。

私は、アイデアやプロットを書きためて、アイデアの貯蔵庫を作るタイプです。
「ヴァンパイアはアンデッドの王ではなく、ただの人間である」というネタを思いついたのは何年も前です。

この設定、非常に使いやすい。
本編でも、杵島さんと上条さんのカップルがそうですし。
西村先生と奥様だってそうです。
どこにでも当てはまるし、恋人たちの数だけドラマができる、なんておいしい設定!
媚薬効果が追加されていますが、これは完全な私の趣味。
そういう効果があっても、それだけに依存しない関係がこれまた大好きです。変態です。


小宮山桐生。
いろいろあって、朝霧にスタートダッシュで名前を呼び捨てにしてほしくて、どうしたら陰キャ気味の朝霧にそれを可能にできるかと考え、「名字と間違えさせよう」という安直な発想になりました。
名字に感じられて、でも名前として美しくて、意味がこもっていて、母の愛もある……。
赤ちゃん命名サイトと姓名判断サイトをあさって、桐生と名付けました。
思ったより彼を彼らしくしてくれる名前で、凛々しく和風感もあって、非常に満足しています。何より、呼びやすい。

対照的に、かなり適当につけたのが朝霧令一。
名字は、本編で語ったように、桐生→霧生、の語源を見つけて、霧が入る名字にしようと思ったという理由がちゃんとあります。
名前は、「なんか理系で堅苦しそうでエリート意識強そうな名前っぽいの」という感覚だけでつけました。ごめんよ令一。全国の令一さんごめんなさい。
さらに、家族構成を考える段階で、一号二号三号、というひどい意味が出来上がり、朝霧のお父さん、愛はあるけど子どもになにしてんの、と思いました笑
朝霧家は親戚が多い、わいわいしたのどかなおうちのイメージです。
だから余計にカミングアウトできないのですが、いつか妹の令美ちゃんくらいは理解してあげてほしいなと思います。

理事長の大山萬太郎さん、教頭の西村悟志先生、上条さんに杵島さん、溝口医師、他にも名前だけちらっと脇キャラがいますが、それぞれにエピソードはちゃんとあって。
主役の二人(最初の構想ではダブル主人公でしたが、どう見ても主人公は朝霧ですね)をわざと中心に描き、それ以外の登場人物は桐生と朝霧を食わない程度の描写にとどめたので、いっぱいネタだけ残っています。

大山理事長が、とんでもないグローバルな大会社の社長だった頃とか。
西村先生はこの歳になっても奥様とラブラブだけど、娘に、「おかえり」じゃなくて「いらっしゃい」と言われたことがショックだとか。
上条さんと杵島さんの出会い、13歳の上条さんはめちゃくちゃすさんでたとか。
溝口医師が、ヴァンパイア体質と知らず輸血を行ったせいで、完全成功するはずの手術に失敗し、エリートコースをドロップアウトし、亡くなった患者、遺族に今も詫びながら、必死で原因を研究して今に至っていることや。

新任の敷本先生は鈍いタイプで、「小宮山先生と朝霧先生って仲いいですね! 職場に親友がいるって素敵です!」と言っちゃって朝霧がココア吹くとか。
保健室の先生の白鳥先生は勘づいて黙っているタイプで。かなり肉食女子で(桐生を狙ったけど、めんどくさい空気を察して手を引いた過去あり)。

アヤザワの職員室事情はとってもにぎやかです。


教師視点の物語なので、上条さん以外に生徒の個人名を出さなかったのもわざとです。
学園ものは、生徒中心になりがち。生徒はあくまでも、教師から見る、いきいきと育つ子どもでいてほしかったです。


上条さんは、「ヴィランが狙っていたのは女性ヴァンパイア体質」ということで、絶対いてほしかったキーポイントキャラでした。
上条さんは、ヴァンパイア体質でも幸せに愛されて生きられるという桐生と対照的な存在であり、作中では太陽みたいな元気娘に描いています。
かなりの美少女です。杵島さんもかなりの美青年です。
このふたり、口を開かななければ完璧ですのに、会話すると双方が残念ですw

桐生が孤児なのは、ヴァンパイア体質の情報が最低限しかない理由として必須だったので、家族がいる上条さんから情報を得るのはスムーズな流れで、上条さんは情報提供としてなくてはならない子でした。
杵島さんの知識も、上条さん経由ですから。この子がいないと後半は成り立たなかったです。
キャラではなく立ち位置が重要という変わったタイプでした。


桐生の両親についてのエピソードも、あるにはあるんですよね。
桐生を食ってしまいかねない内容だったので削りました。謎のままでいいものもあるでしょう。


そして、360度どこから見ても最悪で完璧なヴィラン、コージくん!
「いかにしてムカつくキャラにするか」を考えました。口調は我ながら成功したと思います。うん、ムカつく笑
この物語は、いい人ばっかり出てくるので、どうにもこうにもならない嫌われ役を放り込んで、シリアスモードに引きしめようと考えました。
悪役って、書いてる側はけっこう可愛いんですよね。絶対リアルで遭遇したくないけど!

プロット段階より、数倍くらい桐生にボコボコにされています。
もともとハイファンタジー出身の私は、久々のバトルシーンに胸が躍ってしまい、一般人を大きく超えないように心がけながらガンガンに戦わせました。
あれ以上戦闘が長引いたら人間じゃないので、ここらが引き時か、と攻撃の手をやめさせたくらいです。
とどめも、プロットより悲惨で、コージくんは最後のやられ姿まで完璧な悪役でした。ありがとう。
でも読者様は君の未来をちゃんと想像しているから、大丈夫だよ。


まさかの、プロット段階では存在しなかった人、溝口医師。
コージくんに噛まれた傷は、桐生の治癒能力と朝霧の縫合でなんとかできないかと思っていました。
無理でした!
コージくんの殺意ありまくりの噛みかた、場所、深さを医療サイトで調べ、「猛獣に噛まれたとして」というたとえでAIにも尋ねてみて。

しんでしまうやないかい。

と、焦りました。本気で助からない傷でした。
桐生の自己治癒能力の範囲超えてます。無理。

もともと、西村先生はこのタイミングで助けに来てくれる人だったんですが、西村先生が来ても傷は癒えない!
だったら緊急搬送先を作るしかない! ということで、看板のない個人医院がいきなりそびえ立ちました。

訳ありで、いろいろな知識がある、闇医者まがいの正規のお医者様。
おじいちゃんにしたおかげで、他のキャラと被らず、深みが出た存在。
今後にも役立ちました。

プロット段階では、朝霧はPTSDを発症していません。
ショックでパニックにはなりましたが、桐生がつきっきりで安心を与えて社会復帰……

は、無理でしょ。
あれはちょっと、復帰できるレベルじゃないでしょ。
専門家のもとで長期間、正しいケアしないと危険でしょ。

ということで、再び溝口医師のお世話になりました。
普通の病院では説明しがたい怪我も、さくっと納得してくれて、桐生が朝霧の全身の傷跡を治す補佐もできる。溝口医師、いてくれてありがとう。
まるで最初からいたようです。最初からいたんだ、きっと。


朝霧の心的障害レベルを調べる際に、実際の症例や苦しんでいる人の声などを参考にしましたが、その苦しみは、小説にフィクションで書いていいか躊躇うほどでした。
朝霧は暴力というより性被害に近く、かなり重いダメージだと判明して、頭を抱えました。
実際に苦しむ人に配慮して、PTSDだけど、その単語を出さないで表現しました。
コージ許すまじ。(やらせたのは作者)


朝霧がああなっていないプロットだったということは、蝙蝠との同棲もなかったわけで。
朝霧が病院で目覚め、自分自身と戦ってリハビリを繰り返すあたりから、プロットに存在しない一発書きでした。
小説としては、延々と触れられない関係では困るけれど、すぐに触れられるものではない。
朝霧の精神力、負けん気の強さ、努力家という設定をフルに使い、リアルを残した回復を描いてみました。
朝霧の回復はとんでもない速さですが、回復したいと自らが願う力、傍で支える理解者の存在、正しく導く医療従事者、これが揃ったら不可能でもないそうです。
現実には、自分にあったことを受け入れるまでにうん年かかったりしますし、誰もが支えてくれない、それどころか被害者を責めたりする場合もあります。
とても苦しく、触れがたく、ナイーブな現実を、資料の中で垣間見て、力にさせてもらいました。
コージみたいな奴許すまじ(やらせたn)


朝霧が想像以上に苦しんだことが、桐生にいい意味で影響を与えました。
自分の存在価値を理解できなかった桐生が、無意識からも意識的な部分からも、自分の意味を感じるようになりました。
触れられないけど、支えたいという強い思い。
触れたいと懇願される深い愛情。
傍にいる、ただそれだけで満たされて、満たしている実感。
熱烈なものではなく、もっとゆるやかでおだやかな気持ちが、桐生に自信を芽生えさせました。
自分はここにいていい、という自信です。
誰でも本来持っている価値観を、桐生はやっと手に入れたんですね。
叱り続け、怒鳴り続けた朝霧の苦労が実りました。
朝霧の愛情は体当たりですから。最高相性だったんですね!


文化祭も、実は一発書きです。
本来用意していたエンディングに繋がらなくなってしまったので。
もっと日常で、もっと優しくて、もっと穏やかで、当たり前の日々に回帰するように。
オープニングの描写を意識し、桐生と朝霧が教師であること、教師として過ごすことが幸せな日常だなと思い、大きくドラマチックにせず、まるで普段どおりのようなふたりを描いて終わりたい、と思いました。


タイトル回収は絶対にしたかった!!
これはもう、やらなきゃタイトルの意味が半減する!!


実は、どこかに入らないかな、と、杵島(旧姓)さんと上条さんの結婚式、書きかけていたんです。
小話では収まらないけど、番外編はいけるんじゃないかと。

無理でした!
なっが!!笑

上条さん、あんまり本編で触れられてないけれど、お金持ちのお嬢様なんですよ。
海外にも日本にもおうちがある、私立高校に余裕で通う、というところで推測されそうと思いますが、けっこうな資産家の娘さん。
英語ペラペラなんですよね。杵島さんも上条さんも。
桐生の英語は高校英語レベル、朝霧はもっとダメ。
上条さん側の親族来賓のネイティブが聞き取れず、ひいいい!! ってなったりしてます。
英語できないヴァンパイア笑

結婚式場の検索いっぱいしてたら、ネットの広告が結婚関係だらけになって、「私じゃないぞ」と苦笑したりします。
いつか、その後の物語で、上条家と杵島家の結婚式は書き終えたいです。


多くのBLで、同性だから結婚できない、という問題にぶつかって悩む二人が多いですが、桐生と朝霧は、あんまり悩んでいません。
最近は独身も多いですしね。
桐生は親族がいないので、どう生きても誰にも文句は言われませんし、万が一自分の血筋で体質が遺伝したらという恐怖もあります。
朝霧は、放っておいたら結婚してないタイプだと思います笑
教師だと、子どもがいっぱいいるみたいな感覚がありますから。
子どもたちがたくさん、毎年入れ替わり、成長して大人になっていくのを見守る立場だと、自分たちにも子どもが欲しいという感覚がないのです。生徒がその役割を果たしています。


BLあるあるの、三角関係、四角関係に発展する当て馬キャラがいない物語(代わりにヴィランが命狙ってくる)。
だいたい、朝霧や桐生の性格からして、浮気を! しない!
成立しない!!
そういう存在が近づいたらぷち嫉妬はするかもしれませんが、出会い頭に断って終わる!
相手にべた惚れ過ぎて、揺らぐ恋ができない桐生と朝霧でした。
6年の親友期間は、もう熟年夫婦的な雰囲気を作ってしまって、誰も入り込めません。


たくさんのお言葉、お言葉はなくても読んでくれたのが解った時、ログインなしでビューにも反映されない人もいるだろうなと想像する幸せ。

ありがとうございます。
私の生きる力でした。
私は同ヴァンを愛していますし、これからも愛しますし、ぽこぽこその後のお話も書きたいです。


今後、何を書くかはまだ決めていませんが、ジャンルが広い私なので、BLじゃないかもしれません。
もともと同ヴァンはBLっぽさが薄い作品でもあったし(だめだろ)、あなたの琴線に触れるような、面白そうなものなら、読んでやってください。


いっぱいの、心からの感謝を込めて。


2024年11月16日
  真衣 優夢 (なおい ゆうむ)

2件のコメント

  • キャラ設定が奥深い!
    だからこそ、魅力的にみえるんでしょうね(^^)

    いつかスピンオフや続編楽しみにしています〜。
    今はまず連載お疲れさまでした(*´꒳`*)
  • 宮永様

    ありがとうございます!
    自分が愛せる話を書くぞ! と思っていたら、こんな感じになってしまいます。
    たぶん、私が一番の愛読者なんでしょうね笑

    作品も、書くのも大好きです!
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する