お互いに忙しくしていたので、連絡取れていなかった友人と話した。
「お前さんの所は『クリスマス商戦』とやらがあって大変だろう」
と言われたが、売上のノルマがキツイだけで忙しくとも何ともない。
いや、売上がないから精神がキツくはあるのだが、現場の販売員は更に暗い顔をしている。
しかし、自身はクリスマスが近いからと購買意欲が全く上がらない。
だから「クリスマス商戦などは雰囲気だけだと思う」と友人に伝えると友人は笑った。
「俺ら淘汰組にはない概念だが、ボーナスが出る奴らがいるんだ。そして泡銭を使う奴もいるからな」
そうだった。
自分にはない概念だったから本気で失念していた。
「まぁ、俺の周りも大抵が無関係だ。よくあるファンタジーで平民は魔法が使えないのと同じだ。」
「魔法という概念は知っているが縁はない。俺らはそんなモブだ」
友人は笑う。
「主人公の様に奇跡を願って宝クジでも買うか」
と言うと
「止めておけ、あれは貧しい物から更に搾取する最悪のシステムだ」
と真顔で言われた。