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小説の難しさ

 皆さんはじめまして、ゆきだるまと申します。

 さて、いきなりではありますが、今回はちょっと”小説を書き始めて思ったこと”についてダラダラと書いていきたいと思います。

 小説を書くということ。それを多分僕は最初舐めていました。
 
 というのも僕は学生時代、みんなが一生懸命勉強したり、部活したりしていた時間を、殆ど友達と下らない話をして過ごすという青春の送り方をして過ごしてきました。皆がいい国作ろう鎌倉幕府を一生懸命覚えている間にエロ本の話をし、皆が安定感のあるレイアップシュートを何度も反復して練習している間にエロ本の話をして僕は大きくなりました。

 だから僕には自信がありました、言語を操るという分野において。今思えばいかにも痛々しい調子の乗り方をしていたんだなとなんだか気恥ずかしくなってきてしまいますが、とにかく僕はイキっておりました。そもそも喋るのが上手いわけでさえないのに、そこさえも見落としていたのは若さとしか言いようがありません。というかそういうことにしておきたい。


 僕は初めて小説を書いたとき、頭の中が真っ白になりました。とは言っても、別に強い絶望感を感じたり、衝撃的なひらめきを催したわけではありません。出てこないのです、言葉が。

 そう、口でしゃべるのと文字に起こすのとでは、同じ言語でも全く『ノリ』が違うのだということに、僕は初めて気が付きました。その『ノリ』の違いがなんなのか、当時は全く分からなかったんですが、今自分なりに考えてみるとそれは、

・言葉を発しても誰も返事をしてくれない。
・喋ってるなら自然な言葉の組み立て方でも、文章にするとなんかキモい。

 の二点が大きなウェイトを占めているのではないかと思います。

 そう、まず一つ目の”返事がもらえない”部分に関してですが、小説を書いてみて初めて、会話における『聞き手の重要度』について気付かされました。普段誰かと喋るとき、不自然にならないようにハイスピードにどんどん言葉を発していく必要があります。我々はその判断を、相手の発する言葉、相手の表情、お互いの間の空気間、などをヒントに最適な言葉を探して発言を繰り返していきます。だから一人でパソコンに向かっていると、どんな発言をしても滑っている感じがしてしまいます。それはそうでしょう、僕が何を言っても、パソコンくんは僕に対して常時『しら~』ですからね。

 次に二つ目の、喋り言葉と同じ組み立て方で文章を書くとなんかキモい件について。これはもうそのままですね。試しに僕がしゃべる感じをそのまま文章にしてみましょう。

 「なあなあ、聞いてくれへん? 俺ぇ。昨日さー、合コン行ったってゆってたやん? んで、ほら、あるやん? あれ、あれ、ほら、わかる? なんかこう、期待感? みたいなやつ、ほらぁ、あるやん、別にエロいだけがあれちゃうねんけど、ほら、恋の始まりとか言うたらなんかキモイけどほら、あるやん? そうそうあれあれ! んでそのアレを胸にガーしながらがーしゃべりまくったってんけどやな、なんかギャルみたいな女がおってやな、あれやねん、いや、ギャルは好きやねんけど~? ちゃうねんちゃうねん! いや、でもギャルはまじでかわいいよな? あのちょっとヤンチャな感じがあれやん? あ、ヤンチャといえばこないだ駅前で……」

 ね? なんかキモいでしょ? っていうこれでさえ多分まだマシで、実際喋ってる時はもっとキモいでしょう。そしてキモいうえに何が言いたいのかわかりにくいですね。話の焦点はあらゆる場面へ飛び火し、不必要なつなぎ言葉を随所に散りばめる。そして重要な、どういった感情でそれを言っているのかがまるで伝わらない。普通それは身振り手振りや声色、目線を使って伝えていくものですが、キーボードで打つ文字にはそんなもん存在しません。小説だとそれは、地の分によって動作や表情を描写する必要があるわけですね。そう、僕は地の文章が特に苦手です。

 と、また唐突にこの話について書くことがなくなりました。だから文章は難しい。

 ……というわけでこの文章に結論やメッセージ性は全くありません。

 そう、”書いてみたかっただけ”です!

 ちょっとでもイラっとした方は、「だからなんやねん!」とコメントしてくれたら僕は救われます。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892038286

3件のコメント

  • 凄い武器は持っています。特化された武器を持つことは重要です。
    ゆきだるまさんの場合は、台詞の裏側の感情を表現できるところだと思います。
    簡単に言えば、そのキャラが決して作者の都合で喋らされていないということです。口語を文章にそのまま起こせば確かにキモいです。地文も会話も要は読者への情報伝達の手段なので、受け手に届く文章というものを心がけねばなりません。削って削って、足して、削って。
    作者は神です。物語の世界の全てを知り尽くし、創造する神です。
    だから、なんで書いてしまいがちですが、それではいけません。
    「視点」が重要なのは、読者のためなのです。そのキャラに入り込んでその世界を疑似体験している読者を惑わすのが「視点の揺れ」なのです。
    本編で、キャラ達が知り得ていない情報を地文で解説していますが、厳密にはアウトです。読者から見れば、なんで知ってるの?ってなるから。
    基本は、視点人物の見ているもの、知っていることしか書けないという誓約があります。もっとも、Web小説ではそこまで指摘されませんが。
    例えば、異世界を解説してくれる役目のキャラがいれば便利ですね。
    もちろん少年達はオランダと勘違いしたままに出来るような。
    そういった細かなところを描写や表現で読ませることが出来ればさらに整うと思います。「蜜蜂と遠雷」はもう読まれましたか? ダブル受賞というまあ高尚なものです。まだ読まれていないならお勧めします。
    視点がめまぐるしく展開しても、それがテイストになっている傑作だと思います。
    色々書いてしまいました。ゆきだるまさんの作る世界観が好きなので、書くかどうか迷いましたが、結局書いてしまいました。失礼をお許し下さい。
    書くだけなら誰でも書けるけど、面白いものは少ないです。
    本当に、その感性は羨ましいです。
    重ね重ね、失礼を申し訳ありません。削除、全然OKです。
  • おお〜、なるほど、視点人物の知り得ている情報……。


    確かに、いや、むしろ現状、地の文の視点そのものが曖昧ですね。

    最初は確か地の文を『僕視点』にして書き始めて、それじゃ書きにくくて曖昧に登場人物視点を交えて、書きにくくなって、書くスピードが遅くなって……。

    一度ちょっとその辺り考えてみます。

    超参考になりました。

    ありがとうございます。
  • ゆきだるま様

    初めまして

    サクラと申します

    私の作品に

    "応援"を

    押して頂き

    ありがとうございました
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