育乳アンソロジー、佐久間詩織編、終了しました。
読んでいただいた方、本当にありがとうございました。
佐久間詩織という子を書きながら、ずっと心の中にあったのは、「変化って、面白い」という気持ちでした。
この物語で描きたかったのは、「もっと綺麗になりたい」とか「大きくしたい」といった願望そのものではなく、「あ、なんだか変わってきた」「こんなふうに感じるんだ」──そんな気づきの瞬間なんです。
詩織は、自分の体に強いこだわりを持っているわけじゃありません。
でも彼女は、変化そのものにはとても真剣で、まっすぐです。
体って、毎日少しずつ変わっていくものですよね。
でも、それを「変わっちゃった」と嘆くのか、「へえ、変わるんだ」と面白がるのかで、感じ方は大きく違ってくる。
詩織はたぶん、後者のような子です。
理屈で納得して、試してみて、「へえ」と思って。
それを誰かに強く語ることもなく、でもちゃんと心のどこかにしまっておく──そんな静かな好奇心が、私はとても共感できるキャラクターでした。
育乳って、言葉だけ見るとちょっと特殊なテーマかもしれません。
でも実は、とてもシンプルな営みでもあります。
自分の体に触れてみること。
ちゃんとあたたかいんだな、流れてるんだなって感じてみること。
それだけで、何かが動き出すことってあるんだと思います。
詩織を通じて、そんな「自分と向き合う」時間の大切さが、少しでも伝わっていたら嬉しいです。
そして、知らなかった世界にちょっとだけ足を踏み入れてみることの面白さも──。
次はスポーツ少女です。
一途にスポーツに打ち込んでいた子が、次に打ち込むこと見つける物語です。
引き続き楽しんでいただけると嬉しいです。