巷ではいま勇者召喚の話で持ちきりだったが、キヨにとっては遠い国の出来事か、あるいは物語の中のような話にすぎなかった。
キヨは食えないほど貧しくもなかったが裕福なわけでもない、つまりはごくありふれた庶民の生まれである。
春には齢十五になり学舎を卒業する。その後は他のありふれた町娘たちと同じように恋をして結ばれ、やがてまた自分と同じような娘を産む。ありふれた未来をぼんやりと思い描いていることすら意識していない、そんなごく普通の娘だった。
或る日キヨが聖女であると神託が降る。それはあまりにも非日常的な知らせで、国からの使者が家に訪れた時ですら、どこか他人事のように思えた。
キヨは騒ぐ周りの大人たちをただ呆然と眺めていた。
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ネタです。
昭和っぽい文章で書いてみる転生勇者と聖女の物語の冒頭。
ちゃんと昭和っぽくなってるかな?
誰風ってわけじゃなくてなんとなくなイメージなんですが。
ちなみに書くつもりではない。このテンションで書き続けるのは私にはキツい。
「いきなり聖女と言われてキラキラな王子様たちに囲まれたけれど、私は普通の人と結婚したい!」
↑タイトルがこれで……
だめだめ。タイトルもやっぱり昭和風にしないと。
どんなのが良いですかね?
いや、書きませんけど。
その代わりに先日Twitterで書いた短い話をまとめて、短編集の方に上げました。
これもプロローグ的ですがよろしければ読んでみてください。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893573512/episodes/16816452219263232316