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空染工房へ、ようこそ完結記念のちょっと裏話とプレゼント企画

本日9月20日の更新をもって『空染工房へ、ようこそ』の全21話を公開完了して完結いたしました。
本作は『楽しくお仕事 in 異世界ファンタジー 中編コンテスト』に応募してまして、どうか応援よろしくお願いします。

さて、本作を更新する度にツイッターで【ちょっと裏話】と最終話更新記念に【プレゼント企画】を公開してきましたが、それをこちらにも掲載いたします。【プレゼント企画】の応募は受付したばかりなので、興味のある方は参加くださいまし。

【ちょっと裏話:空染工房へ、ようこそ更新時】
『空染工房へ、ようこそ』というタイトルはある人からいただいたものです。この『ようこそ』の部分が自分では絶対付けないので、どうしても作中の登場人物に言わせたかったのです。それも明るく来客を出迎えてくれる子がいい。
工房にいて、明るい少女、というコンセプトのみつきです。

【ちょっと裏話:それは幼馴染というものですね更新時】
礼儀を尽くすのと、目上に駄目出しをするのとを両立させる弥次郎彩雲お兄さん、割りとこの人のバランス感覚は気に入っています。
立場の低い者を守り、立場の高い者に屈せず、物腰柔らかく飄々として振る舞い、そして人を大事にしている。
よく出来たお兄ちゃんキャラと自負してます

【ちょっと裏話:帛屋一門、彩光が末弟子みつき更新時】
なんだかんだ言って、みつきは彩光の末弟子と名乗るのが誇らしくて嬉しいくらい彩光のことが好きだったりします。
ちなみに、みつきは入門は最後ですが、年齢で言うとみつきより幼い9才の見習いが空染工房にはいます(本編には出てこない)

【ちょっと裏話:晶姫様はご機嫌麗しゅう更新時】
涼しい顔して近関藩の城屋敷に来てる空染師の二人ですが、道中で見つけた呪いを浄化しながらやって来てます。しかも走らせる馬から降りずに呪いを駆逐してました。
空染師は暦によって変わる空を読む為に陰陽道にも長けています。

【ちょっと裏話:それは男の方の言い分です更新時】
もう皆さんお分かりだと思いますが、行恒と晶姫は相思相愛でらぶらぶです。みんな(特に帛屋一門の面々)、四の五の言わずにとっとと結納しちまえよ、と思ってます。
晶姫に対しては、まぁ、文句言いたくなるのも分かる、と手を出しあぐねてますが、行恒に対してはふざけんなの一言。

【ちょっと裏話:なら、やってやりますとも更新時】
懐中時計みたいな未言景が神代から伝わってるわけですが、この作品はファンタジー、ファンタジーなのです。そりゃオーパーツの一つや二つはあるのです。
その一方で本作に限り未言景のデザインを懐中時計でなく羅盤(陰陽師が使ってそうなアレ)にする案もありました。

【ちょっと裏話:もう受けちまった仕事の内って事さ更新時】
三繋国の官位は日本で使われてたものと同じ感じです。
正三位は織田信長が生前に受けたのと同じ官位で、その他武家では征夷大将軍くらいしか任じられてません。
現実で芸術文化や職人が正三位を与えられることはまずありませんが、彩光は対厄災で国防の要なのでそちらでの受勲です。
ちなみに、草染師と波染師の頭領も正三位です。
草染師は簡単に言うと平将門や崇徳上皇、玉藻前レベルの呪怨を封じていて、波染師は海洋防衛を(海賊行為で)一手に担っています。
ある意味、彩光が一番地味な役柄ではある。

【ちょっと裏話:みつきちゃんにしか出来ないことなの】
織彩さんが閉経してることを明記するかどうかはけっこう悩んだんですが、現実より栄養状態が悪い(というか質素)なので40代前半でも閉じるという時代設定と、その年でも職人やってる織彩の特異な立場を表現したいので、えいやと載せました。

【ちょっと裏話:女はお人形ではないというのに】
なんか親方に勝てる織彩姐さんが工房で最強なんじゃないかと思われるかもしれませんが、違います。
彩光が工房最弱なだけです。弟子全員(約一みつき除く)から『本当のことなら何言っても怒らない(キレないとは言ってない)』とバレバレ で、しかも弄って反応が楽しいと思われてる。

【ちょっと裏話:未言頼りに過ぎるってんだよ】
みつきは帛屋一門で彩光に次ぐ未言使いです。
塵薬の知識や天候を読む技術はまだ彩雲くんたちに一歩譲りますが、そこら辺全部『未言がふしぎな力を貸してくれた!』でひっくり返します。
そんなみつきの得意な空染は、未言を使いまくって普通は起こらない景色を作り出すことです。

【ちょっと裏話:わたしが必ず喜ばせてみせます】
彩光、みつき、行恒、晶姫と主要キャラが四人とも気づけば負けず嫌いになってましたが、特に意図はなく、こいつならこう言うかなー、と好きに喋らせてたらこうなった。
負けず嫌い=譲れないものがある=自分をしっかり持ってる、ということなのでいいかな。ってことにしといて。

なお、行恒の負けず嫌いは藩を治めるために身につけた素質、晶姫は周りを見て自ら学んだ教養からの信念で、みつきは彩光を見てて悪いとこ似ちゃった系の性格、彩光は生まれてこの方負けず嫌いで、彩光が一番質が悪い。

【ちょっと裏話:お手並み拝見と行こうじゃねぇか】
帛屋一門では、親方が一人前と認めた門下に号を与えます。その号には必ず『彩』の一字が入ってますが、男性は『彩+名詞の漢字(彩光、彩雲など)』となり、女性は『動詞の漢字+彩(織彩など)』となります。
みつきはまだ号を貰ってない見習い門下なんですよ。

【ちょっと裏話:翠月か更新時】
作中で、大人げない、大人げないと連呼される彩光ですが、依頼主の意向を汲み取って空染玉の内容を決めており、また依頼主がその気でないなら無理に仕事を推すこともないです。
自分の気持ちを抑えられずに空染を行恒に強請したみつきと違い、彩光にとって仕事とは人に応えることです。

【ちょっと裏話:その長秋は辰をとどめよ】
うちのじさまは農家だったんですが、こっちの山と向かいの山の間でよく会話してたそうです、近所の人と。この話聞いた時は狼かよって思いました。昔の人ってすごいですね。
今回の空染師達の合図の声はその話を元にしております。

【ちょっと裏話:自分の仕事から逃げないもん】
彩光を始め、工房の全員が『彩光が仕事に向かったのは近関藩』というみつきに隠していました。
まぁ、行恒に空染する位置でわかるだろという話もありますが、みつきは本能とノリで空染してるので、方角と距離しか気にしてなかったのと、そもそも地理がちんぷんかんぷんなのです。
別段、みつきが方角音痴という訳ではなく(むしろ方向感覚は優れてます)、半年前まで彼女はまともな教育を受けてないので、生きていくのに必要最低限なことしか身につけてませんでした。
未言の言霊は元から見えてましたが、その一つ一つがどういう言葉なのかは特に気にせず生きてきました。

【ちょっと裏話:お目見えいただきありがとうございます】
ついにみつきにまでダメ出しされた行恒ですが、恋愛偏差値が著しく低いだけで当主としては有能です。いつか「文ばっか書いて暇なのか」と彩光に呆れられてましたが、現藩主の父が臥せって動けない状況で、一人で御家人纏めて恙無く統治した上で日に文を三度も書く時間を作ってます。

【ちょっと裏話:でも晶姫様も】
魔溢すの未言巫女は、『こんくらいの悪いことが自分の身に降りかかるのは仕方なくね』くらいの性格をしてます。別にこの子自体が悪さをしているのではなく、魔溢す者がいるからそこに現れるという未言巫女です。
環境指標みたいな感じ。

【ちょっと裏話:なんの瑕疵もなく幸せだけ賜りたいなんざ、何様のつもりだ】
晶姫の説得に1万文字掛かったのに対して、行恒への説教が1500文字足らずなの、作者ですら笑ったんですが、じゃあ初めから彩光が喝入れろよって言いたくなるやもしれません。
でもこの親方、可愛い末弟子が頑張ってやれる事全部やって手詰まりになったから代わりに出てきただけなのでみつきが困ってなかったら、行恒とか放置でいいと考えてました。どうせ駄々捏ねても近習が最後には結婚を押し切るのは目に見えてたので、早いか遅いかでしなかったわけで。
つまり、身内が可愛くて出てきた親方に怒鳴り散らされた行恒です。

【ちょっと裏話:未言刻還】
最後の空染ですが、行恒は鴇、晶姫は宝石(特に水晶)で表現されてます。
その二人が合わさって色が変化するのは、みつきが最初に編み出した『朝顔』の応用です。
大規模な上に新技術を惜しみなく使ってますが、本来なら十数回の試作の上で本番に挑むところを、未言を使ってぶっつけ本番一発勝負で成功させてる彩光とみつきは非常識の極みです。
それと、彩光は工房で、みつきは近関藩の屋敷で他の兄姉弟子に手伝ってもらいながら作業をしたのですが、彩光からみつきへの指示、みつきから彩光の質問は彩雲が馬で往復して取り次ぎしてました。影の功労者。

【ちょっと裏話:帛屋紡衣彩光が末弟子のみつきと申す】
本作品は、みつきが自分の居場所で、どんな形で納まるのか、それを手探りと手作りしていく物語です。
行恒と晶姫についても、二人を通して男女の仲をみつきが考える道筋です。
そのため、みつきの居場所、立ち位置が『俺の弟子だ』と宣言する彩光の台詞が一番大事なのです。

【プレゼント企画】
さて、ところで、空染工房に来るまで居場所がなかったみつきは、いったいどんな経緯で彩光の弟子になったのでしょうか。

これに正解された方には、本作の好きな登場人物を指定してもらって短編をプレゼントします。

わたしのツイッターあてに、リプライかDMでご応募ください。

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