正直、めちゃめちゃに凹んでました。
というのも、とある人について考えてて。カクヨムにいる人じゃないんですけどね。
彼は最近小説を書きはじめたんですが、それがどうにも…というもので。
確かに盛り込まれた知識はすごく多い。でもそれは知識であって、一切描写になってない。
ただ「何とかを着ていて」「何とかという職業で」とあるだけで、その何とかがどういうものかの描写はまったくない。私だったらそういうとこ描写して心理とか風景を織り込んでやるのになー、と思うんだけど、全くそういうことに彼は関心もってない。
まあ、関心あることについて書くのはいいんです。私もそうだから。でもこれなに? と聞くと、「こういうものだ」と写真や図を見せるけど、それを描写しようとは一切しない。しなくていいんだと自己弁護ばかりする。まあいいんですけどね。好きにやってるだけだから。
でもさすがに恋愛のシーンについて、ありえないほどの記述の淡白さに驚きました。ええっ、こういうドラマチックなシチュエーションなのにたったこれだけ? というほど。
で、彼は世界を俯瞰で見てるからそうなる、学問や理論に基づいているからそうなる、と自己弁護ばかり。じゃあせめてそう書こうよ、といってもそれもしない。俯瞰で見てるって言うけど、この恋愛してる人もそう見てるの? ぜんぜん生きてないし感情も入ってない。というか書き手として二人を馬鹿にしてるんじゃないか、とは直接言わなかったけども、彼からの返事はほぼバカにしてるみたいな意味でした。
それではキャラがあまりにも可哀想だなと思いました。
しかし彼はそういうスタイルのその場しのぎの自己弁護を繰り返します。
そうは読めない、というと「そういうのが好きなの!」という始末。
そこで私は、要するに私の関係しないほうがいい人だな、と思いました。
ところが彼はそこから増長を続けました。アクセス数も伸びてきた!人はついてくるんだ!と。
正直私が知ったこっちゃないんです。なんでも書けば読み手ってのは完全にゼロにはなかなかならないもんですし。そこから増えるのはしんどいけど、ずっと0のままってのは案外少ない。ただ、彼は正直私のどうなんかな、と思うものを、自己弁護ばかりして、作品を小分けにする投稿小説サイトハックテクを守って書いていきます。
まあ知ったこっちゃないんですけどね。好きでやってるんだから別に私にとっては全く関係ない。
ただ、関係ないはずだったのに、彼はなんと、その作品をしつこく私に自慢してくるのです。書けば人はついてくる! 自分の書き方は正しかったんだ! と。そしてしまいにゃ自己弁護まで正当化し始めたのです。
まあ、彼、学校のセンセイですからね。それに私は過剰にコンプレックス刺激されてたのもあります。私、大学受験失敗してるし。
でも……あんまりにも彼の増長し続ける根拠なき自信に、私はだんだん侵されていきました。
私の面白いという基準、物語を見るときの基準ってなんなんだろう、って思い始めました。私にもホントは根拠なんかないよなあ、事実こういう投稿サイトでそれほどアクセスも星も集めてないし、と。
結局そんな数ヶ月で、私はズタズタになってました。話もせずに黙々と作業する夜勤バイトで肉体的にも精神的にも疲弊した上に、彼の増長し続ける自慢と、私の小説の不振でボロボロでした。
もう自分でなにかを書くのも嫌になるぐらいでした。彼の高慢さに玉突きになるように私は自己嫌悪にどんどん追い込まれていました。私にもああ言う要素あるよなあ、やだなあ、と。
そんなとき、久々に友人と話をしました。
私は躊躇いながら、その話をしました。できればしたくなかったんですけどね。他人の話はできればしたくないのです。
友人は言いました。
「え、誰その人? 聞いたことない」と。
まあそうなんですけどね。
友人は笑って言いました。
「なんだ、ただの雑魚じゃん」と。
まあ、そうなんですけどね。
ただ私も私自身を雑魚だと思ってるわけで。
「おいおい、何言ってんの。しっかりしてよ」
彼は笑って言いました。
とはいえ、私には私の書くものの根拠や担保になるような経験も知識も学問も技術もほんとはないと思ってるのは今も事実です。
ただ……少なくとも、時間数にしてその自己弁護大好きな彼の8倍は長く書いてきてる。それがどれほど技量につながってるかは私には疑問だけど、すくなくとも私は自分の書くものを自己弁護するほど愚かじゃないよなあ、と。
私は書くものに欠点があって指摘されれば、それはその場の自己弁護で言い返すより、原稿にそれ補うようなこと入れられないかなと考えます。
その場でいくらうまく言い返しても、なにも書き手として得るものはないのを知ってるから。
まあ、そんなこんなで、それからあとしばらく経って、またこうして原稿に手を入れ始めてます。やっぱり自分の書くもの、書いた話とキャラクターが好きですからね。好きだからこそ、指摘されるようなとこは、なんとか話とキャラ本体を原稿に手を入れて補強しようと思うのです。
書いた話は私がいなくなってもだれかがまた読み返す。そのとき話とキャラを守ってくれるのは、書いてある記述だけですから。
私がいないところで私がその場で言い返すなんてできませんから。
でも、だからこそ物語は永遠の生命なんです。
私は時々こういうでかい鬱にはまってしまうんですが、また原稿に手を入れ始めたのはそういう次第です。いろいろとご心配おかけしてスミマセン。
というわけで今、一番手を入れたい「鉄研でいず!」アンコール版に手を入れてます。ちょっと非公開に戻したり再公開したりしてごちゃごちゃしてますが、ご容赦を。