この記事はギガントアーム・スズカゼ第七話の書き上がった最新分を掲載しているものです。
これまでの話は下記リンクから読めます。
https://kakuyomu.jp/works/16817139556247117561◆ ◆ ◆
膝を叩く一郎。ミスカとジットも頷く。
「そういう事だ。ざっくり言うと、だがな。他にも大きな要因は幾つかあるし」
「あるのかよ。なんかイヤだなそれ」
「先程からスパイと一口に括っていますが、詰まる所連中は、世界を震撼させる程の陰謀を成功させた者達の走狗です。そして今、ウォルタール内にいるそうした連中を、一網打尽にする絶好の機会がある」
ジットはサッカーボールを握る。小さな疑似存在は、紙のようにくしゃと潰れて消えた。
「逃す手はない訳です」
「……で、具体的にどうするワケ」
「向こうが重点クラッキング対象していると予想される端末。そこで情報整理を行わせ、故意にスズカゼの情報を敵方へリークします」
「え、大丈夫なのそんな事して」
「勿論」
きっぱりと言い切るジット。
その顔には、とても楽しそうな笑顔が浮かんでいた。