KAC2024に挑戦した、応募作8つをまとめたものです。
元々胎蔵界曼荼羅の中台八葉院の仏尊達をサブテーマにして、最後にまとめるつもりで書き始めた作品群です。
なので、タイトルの後にサンスクリット語で各仏尊を追記してあります。
各権能にガッチリと合わせて話を作ってるわけではありませんが、ちょっとずつそれっぽい要素を混ぜています。
……が、要するにジャンル色々詰め放題のショートショート集でございます。
以下、忘備録的意味も含めて追記。
①水に、沈む。底に、浮く。【東ノratnaketu】
宝幢如来。「如意宝珠の旗印(をもつ者)」の意
「発心」(悟りを開こうとする心を起こすこと)を表す仏
→何かがスタートする瞬間を切り取った作品に。
ビー玉のルビの「宝珠」=如意宝珠
②推理小説未満・番外編ノ弐【南ノsaṃkusumitarāja】
開敷華王如来。「開花した蓮の花の王」の意
→月下美人ではあるが、花の開花をトリックの中心に。
③竜と虎と大樹の小話【西ノAmitābha】
無量寿如来=阿弥陀如来。「量しれない光を持つ者」の意
→そのままの異名(権能)の世界樹を登場させる。
④ノーストレーン戦記【北ノdivyadundubhimeghanirghoṣa】
天鼓雷音如来。「天鼓が響かせる雷鳴のような音」の意
修行を妨げる諸魔を退ける降魔印を結ぶ
→冒頭の銅鑼や戦場の喧騒を当てる。
⑤彼岸の果て【南東ノsamantabhadra】
普賢菩薩。「普く賢い者」「行の菩薩」
現世のあらゆる場所に現れる、行動する意
→ホラーで逃げ場のない有様に転用。
⑥鬼塚懐二郎よろず屋奇譚【南西ノmañjuśrī】
文殊菩薩。智慧を司る仏
→悟りへの手がかりとしての邯鄲、で表現。
⑦脳筋一番☆【北西ノavalokiteśvara】
観自在菩薩。慈悲が広く、優れた現世利益を持つ。
→現世利益として即物的なノリを前面に。
(格安物件を舞台に)
⑧となりのあなたに、あいを。【北東ノmaitreya】
弥勒菩薩。次にブッダとなることが約束された菩薩
→近未来の話で、救いのある話を目指す。
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