皆さま、こんばんは。
宮条優樹でございます。
こちら、『走無常鬼譚』についてのあとがきです。
https://kakuyomu.jp/works/16817330653866072123宋代の中国を舞台にした、怪談話であります。
タイトルにも入れた、この作品での題材の一つでもある走無常との出会いは、
一番初めは、田中芳樹作品の『走無常』、
次いで、清代の蒲松齢による『聊斎志異』、
そして、魯迅の『朝花夕拾』の中ででした。
生きた人間でありながら、
閻魔庁の使いとして、死者の魂を閻魔庁へと連れて行く、
という役目を持った走無常。
生者と死者の世界を行き来するというその人に惹かれて、
自分でも小説に書いてみたいと、長々と抱え込んでいた題材です。
時代設定が『水滸伝』と同じ宋代になったのも、
主人公が武侠になったのも、
走無常が美少女になって、主人公と凸凹バディを組むことになったのも、
全部、宮条優樹の趣味です。
走無常の少女が、「猫のような」と冠されることになったのは、
たぶんに田中芳樹版『走無常』の影響だと思います。
元々は、「花言葉シリーズ」と題して、
花言葉をモチーフにした短編の連作を書こうとしていた名残が、
「牽牛花」というサブタイトルと、キャッチコピーになります。
走無常は気に入っている題材で、
今回の登場人物たちに細かな設定を作ってもあるので、
できたら続きを書いてみたいとも思っています。
いつになるかはわかりませんが……。
それでは、また。