• SF
  • エッセイ・ノンフィクション

ポウと実験球のこと

 幼い頃、子供向けの学習雑誌か何かの付録に、小さな『観察水槽』でプランクトンを育てるというものがありました。私は興味津々で、不思議な粉のようなもの(今思えば普通に卵だったんですね)から『生き物』が生じ、成長していく様を、宿題そっちのけで毎日見ておりました。そのうち、儚い生き物たちは動かなくなり、知らないうちに親に処分されてしまっておりました。
 その時考えたのです。この小さなエビたちは、小さな水槽で生まれ、一生を過ごしたのだから、外側に世界が広がっていたことなど、知りようもなかったんだなあ、と。もしかしたら私たちも、知らないだけで、似たようなことになっているのかもしれないぞ、と。それは何だか、少し怖くて哀しい空想でした。
 ポウの存在と、実験球は、その時の思い出が元になっています。でも、少しだけ大人になったので、『外から見たら哀しい存在』でも、私たちはあくまでも『その中に生きる存在』であり、私たちにとって素晴らしいと思えるならばこの世界は、確かに生きる価値のあるものなのだと、言えるようになりました。
 ポウは神様ではなく、私たちの世界に惹かれていく存在として描きたかったのは、そんな想いからです。……文章が追い付いていかないばかりに、何だか意味不明になってしまっていたら、申し訳ございませんですm(._.)m

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する