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嫌なことがあった(ゲーム題材小説におけるマナーについて)

カクヨムでは定期的に「テレビゲームを題材にした小説」を探している。特に、「実在のゲームで遊ぶプレイヤー」をテーマにした小説が大好物である。

今日、素晴らしい小説を見つけた。私の大好きな某ゲームシリーズを題材に、少年の成長や冒険を描いた小説だ。一気に読んでしまった。良い話だった。

しかし、一つだけ気になるポイントがあった。作中に登場するゲームには存在しないはずの技やアイテム(続編以降には登場する)が出てきたり、条件的に当たるはずのない攻撃が当たったりするのだ。

(念のため書いておくが「ゲームを題材にした創作」ならば、そのゲームの仕様に縛られる必要はない。問題は、「作中に登場するゲームそのもの」の挙動がおかしかったことである)

私は応援コメントとともに、この気になる点を指摘した。ここさえ直せば素晴らしい作品だと。

しかし、作者の対応はコメントの削除とブロックだった。挙句の果てに作品まで削除してしまったようだ。

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実在のゲームを実名で取り扱う以上、その内容については正確に扱うべきだ。といっても、厳密なダメージ計算をしろだとか、セリフを一字一句間違えるなとは言わない。仕様を完璧に把握している必要もないし、レアな参考資料を読めとも言わない。

ただ、私が指摘したのは攻略サイトなどをちょっと調べればわかる程度のことである。そしてゲームを知っているプレイヤーが読めば明らかにおかしいと感じる部分である。

幸いなことに大人気シリーズなので攻略サイトは豊富にあり、情報へのアクセスは容易。執筆段階で下調べをすることはできたはずである。

もっとも、一度書いてしまったからには仕方ない。指摘されたからバトルシーンを丸ごと書き直せというのも酷である。とはいえ、一度完成した作品を直すことができないにしても、せめて作者コメントとして「実際のゲームとは異なります」くらいの情報は入れるべきだろう。

確認の手間を怠るならまだしも、後から誤りを指摘されても受け入れられないのならば、最初から実在のゲームを扱うべきではない(もちろんゲームに限らず、あらゆる作品・商品・歴史などに言えることである)。それが嫌なら適当に名前を変えてお茶を濁せばいいし、実際そうしている作者も多い。

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ご丁寧なことにツイッター上でもブロックされてしまったのだが、今回の措置の理由として私が生成AIユーザーであることを取り上げていた。しかし、指摘内容自体はAIとは何の関係もないし、私の属性とも無関係である。仮に別の方が指摘された場合は素直に受け入れたのだろうか。

(なお私は生成AIユーザーであるとともに、「反AIを表明している方を見かけたらこちらからブロックします」とプロフィールに明記してある。もしその作者がプロフィールなどで反AIを表明していたら、いくら作品が面白くても最初から絡まなかっただろう)

作者が何を思ってこのような対応をしたのかはわかりかねるのだが、私はひどく幻滅した。同じ作品及びレトロゲームというジャンルそのものを愛好する作家として、今回の件は非常に残念だった。カクヨム歴は2年ほどになるが、小説を巡る出来事としては最悪である。

口直しとして誠実で面白いゲームプレイヤー小説を読みたいので、もしいいのがあったら紹介してください。

1件のコメント

  • お前はどうなんだと言われる前に、私自身が書いたプレイヤー小説を紹介します。理論(仕様調査)と実践(実際にプレイする)に基づく、極めて誠実な小説であることを自負しています。それが面白さに繋がっているかを判断するのは読者ですが。

    https://kakuyomu.jp/works/16817330655818010888
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