セシア「なんですか、この企画」
シスイ「文字通り、セシアちゃんがモンスターを解説する企画だな」
セシア「それは見れば分かるんですけど……なんで私なのか、という話です」
シスイ「チヨさんに務まると?」
セシア「分かりました。私がやりましょう」
シスイ「本当に助かるよ」
セシア「はあ……では今回のゲストはシスイさんです」
シスイ「よろしくな。で、早速このスライムって生き物の解説をしてくれないか?」
セシア「分かりました。確か、17話「スライムは爆発する」に登場するモンスターでしたね。幸か不幸か、私が専門にしている生物でもありますからね」
シスイ「そうだったのか!? 随分と特殊な生き物を研究しているんだな」
セシア「そうですね。あんまり熱心な人は少ないですね。でも、調べると結構面白い生き物なんですよ。スライムって」
セシア「スライム。一般的にはそう呼ばれているこの生物の正式名称はヤマダマリコケマイマイモドキという名前の生物なんです」
シスイ「ヤマダマ……マイマイモドキって事はカタツムリの仲間なのか?」
セシア「元、仲間です。見つけた当初はカタツムリの仲間だと思われていましたし、オスとメスは別種の生物だと思われていましたから。オスの事をスライム、メスの事をヤマダマリコケマイマイとね。モドキというのは元々カタツムリとして見ていた為の名残り、みたいなものです。その後同種だという事が分かり、先に命名されたメスの方へと統合されたんです。ですがオスのスライムの方が知名度が高く、スライムと呼ばれる事が多いんですけどね」
シスイ「なんだがティラノサウルスみたいな話だな。いや、アレはもう正式になったのか」
セシア「ティラノサウルスという生物の事は分かりませんが、そういった経緯で命名されました。ヤマダマリマイマイモドキはかなりの長寿で年齢の分、体は巨体になっていきます。百年以上生きた個体の大きさは三メートルを超えたとか。地方によっては山の神様として崇められている、という話を聞いたことがありますし、神話なんかでも守り神として登場するとか」
シスイ「ほへえ、スライムが神話に出るなんてあんまり想像できないな。ところで前々から気になっていたんだが、このスライムの尻の穴みたいな場所は何なんだ? 育児嚢(いくじのう)って書いてあるけれど、肛門じゃないのか?」
セシア「育児嚢。これは繁殖期にのみ使われる生体機能ですね。この育児嚢という部分は中がポケットの袋みたいになっており、繁殖期になるとここにメスを招き入れ、卵を産んでもらいます。メスが卵を産んで出て行った後に精液を放出し、受精させた後は子供達が孵化するまで大切に育てていく。そういう生態なんです」
シスイ「なるほどな。生殖器としての機能とカンガルーのポッケの役割を果たしているという訳だ。こいつは面白い」
セシア「カンガルーが分かりませんが、そういう訳です」
シスイ「……しまった。あっちの世界の情報を拾ってくれる奴がいないな。今度はフェリーと出席するか」
セシア「……そろそろお時間ですかね」
シスイ「そうみたいだな」
セシア「……なにか言った方が良いんですかね。そういえば次回のゲストとかは決まってるんですか」
シスイ「いや、笑っていいとも方式を考えているからまだ決まってないと思う」
セシア「なんですか、その方式」
シスイ「次回のお楽しみって事だな」
セシア「ではそろそろ挨拶を」
セシア、シスイ「また次回をお楽しみに!」「ばいばーい!」
セシア、シスイ「「……」」
セシア「締まりませんね」
シスイ「一回目ってこういうもんだよ」
◆ ◆ ◆
「セシアちゃんのモンスター図鑑」いかがだったでしょうか。
結構がっつりと一つのストーリーとして書いたのですが楽しんで頂けたでしょうか? 図鑑のようなイラストを自作し、分かりやすく、楽しいものとして作ってみました。
更新頻度はイラストが出来次第、となっています。
次回はゴブリン、その次はタイタンタートルを想定しています。
それと近々キャラクターの紹介も考えています。
やりたい事がいっぱいですなあ!
ではでは今日はこの辺で。
皆様、良きカクヨムライフを!!