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近況

 
 ご無沙汰しております。 しばらく音沙汰がなく、潜水していたように姿を消してしまい、申し訳ありません。
 
 実は、この一週間は家族旅行でソウルに行ってきました。いつも旅行先は日本が多かったので、今回は友人に会う機会を利用して、見聞を広げるという意味で新鮮でした。なかなか興味深い国で、多くのインスピレーションを得ることができました。
 
 この旅行を機に、ある実験を行いました。自分の作品を、スティーブンというキャラクターが企画ホストを務めるプロジェクトの紹介文にのみ掲載し、実際の企画には参加しないというものです。
 
 スティーブンの特性である「参加者の作品を読む時間がない」という点は、確かに謝罪すべきかもしれませんが、結果として、私自身が作品を読んだかどうかにかかわらず、「月」をテーマにした作品をあれだけ集めることができたのですから、企画としては成功だったと言えるでしょう。

 このとき、ふと気づいたのです。作家はやはり創作に専念すべきではないでしょうか?読むという行為は、それに集中する読者に任せるべきだと。

 そして、実験の結果ですが、私の作品は他の作家の視点から見るとまるで存在しないかのように映ったはずです。
 
 推測ですが、私自身が一切読書交流を行わなかったことで、「相互交流」というパイプを自ら断ち切ってしまったのでしょう。もう一つの推測は、作品タグに公式推奨の「AI輔助使用」を追加したことですが、これは根拠のない、毛利小五郎のような推理に過ぎません。

 私の新作 「プロジェクト・エラスマス《Project Erasmus》」は、PVが全く増えなくなりました。海外滞在で2日間更新が途絶えた後、異変に気づき、慌てて寝る前に2話連続で公開し、帰国後にはさらに3話を一気に更新しました。しかし、不可解なことにPVはゼロでした。

 なぜ「不可解」かと言うと、第1話と第2話は、前作 「次は、桜」 よりも速いペースで伸びていたため、この調子なら、緩やかでも読者が増えていくはずだと期待していたからです。幸いなことに、前作にはまだ熱心な旧読者が読み続けてくれています。

 作品を読んでくださる方々、そしてフォローしてくださっている方々には深く感謝しております。お恥ずかしい話ですが、これは決して不満を述べているのではなく、この興味深い現象を共有したいだけなのです。

 なぜなら、これはプラットフォームのメカニズムがもたらした結果だと「確信している」からです。交流を推奨するプラットフォームであるにもかかわらず、その生態系は作家同士が星を送り合い、相互フォローし合うという構図に発展してしまった。

 正直、私自身も以前はそうした時期がありました。自分が他の方の作品を読むと、相手も「お返し」をしてくれる。実際には不要な行為なのですが、これが時としてプレッシャーになるのです。

 PVのために、日本語の文法に基づいて校正し、できる限りのことは尽くしました。何か不足のところなど検討していました。ただ、「読み合い」というプレッシャーから来る、応援や星は好ましくありません。ストレスになり、むしろ嫌いです。また、PV数の報告も嫌いです。

 私が申し上げたいのは、私は創作者として「創作」に集中したいということです。私の時間とエネルギーを「社交的な交流」に割く余裕はありません。私が注力できるのは「物語」と「キャラクター」、そして私が伝えたい「思想」だけなのです。

 私は、第二作の白鈴のように、経済的にストレスないので、執筆は純粋な喜びと興味によるものです。

 その理由、第一作の古昂(グアン) のように、物事の背後にある「真理」を悟ってしまったのです。だからこそ、その背後の「真理」を単に共有したいだけなのです。

 もちろん、世界はそんなに単純ではありません。表向きの「真理」は、その秘密を知った人間を排除しようとします。これは利益を脅かす行為であり、すなわちバタフライ効果です。

 「誰かが犠牲にならざるを得ない」ということに、あなたは同意されますか?なぜなら、これが富の「ゲームのルール」だからです。

 創作に戻りますが、私はこの「不幸にならない方法」を物語の中に隠し、あえてSFという題材で展開したいと考えました。それは、私が科学に深く魅了されているからか、あるいはジョジョの作者(荒木飛呂彦氏) からあまりにも大きな影響を受けているからかもしれません。

 異世界ファンタジーで書くことも可能ですが、それでは理論的な根拠に基づかない「真理」となり、読者にとって説得力に欠けるように感じます。

 多くの人は、異世界や魔術、ファンタジーには制約がないからこそ書きやすい、「自由に創作できる」と考えます。

 しかし、私はハードSFの魅力は、すべてがルールと理論に基づいているからこそ、達成感が得られることだと信じています。これこそがジョジョの醍醐味であり、作画の壁を乗り越えると、読者はすぐに作者の「科学現象」と「キャラクターの魅力」、そして「物語」に引き込まれます。

 もちろん、荒木先生も最初から順風満帆だったわけではなく、失敗も経験されましたが、彼は失敗した場所で立ち上がると決意し、そこから特に「科学的な正確性」を重視し始めました。

 そうでなければ、誰もが恐れる名のない魔法使いが、一人の少年魔法使いにそう簡単に敗れるでしょうか?私は魔法の世界が好きですが、論理的な筋が通らない扱いは好みません。

 今回もまた、長々と私的な思いを語ってしまい、申し訳ありません。
 
 また主旨を外しましたが、すみません。

「AI補助使用」など、私と同じく、新タグの使用後にPVの異常に気づいた方がいらっしゃらないか、確認させていただきたいです。

 読んでくださってありがとうございます。

 そして、どうぞ私の作品を引き続きお読みください。必ずや新たな「視界」 をお約束できると確信しております。
 
 

4件のコメント

  • あくまで私の考えですが、PVの動きについて少し整理してみました。
    個人的には、AI補助タグの影響はほとんどないと思います。多くの読者はタグをあまり気にせず、PVが止まったのは単純に「読者がまだ定着していない」ことや「露出の問題」ではないでしょうか。実際、企画に作品のURLを載せたときにPVが動いたことからも、宣伝や露出が大きく影響していることがわかります。

    要するに、PVが増えたり止まったりするのは、作品の魅力の問題ではなく、単にファンがまだ根付いていないだけ、という可能性が高いと思います。

    もちろんこれはあくまで私の見方です。創作の自由や質には関係のない話なので、参考程度に捉えてもらえればと思います。
  • @神山さん

     コメントありがとうございます。

     そうですね、ではタグの件は一度容疑から外すことにします。
     
     もしそうなると、逆に「交流(インタラクション)」を減らしたことによるペナルティが、あまりにも大げさなくらい明確に出ている、ということになりますね。連載中断から連続で5話もPVが0なので、思わず笑ってしまいました。
     
     ただ私個人の感覚では、ランキング作品のなかにSFの皮を被った異世界作品が多く、「視界が遮られる」ように感じてしまうことがあります。そういう時こそ、タグを使ってハードSFを探すのに役立てています。
     
     そう考えると、やはり私は自主的な企画による露出に頼って、この広大な海の中から引き続き理解者を探し続けるしかないようですね。
     
  • プラットフォーム上には、読み手であり書き手である創作者様が多くいらっしゃいます。そのため、読者だけを集めようとするのは……、現実的ではないかもしれません。

    創作に集中したい気持ちも理解できますが、同時に読み手であることも大切だと思います。
    これは社交的な面だけでなく、自分の研鑽にもきっとつながります。

    ただ、やはり自分の気持ちなどの折り合いも必要でしょうから、無理に交流する必要はなく、自分なりに割り切ることが肝要ではないかとも。

    何より、PVや反応に一喜一憂せず、まずはwosopuさま自身が「創作を楽しむ」ことが最優先かと感じます。


    拙文失礼しました。
  • @神山さん
     
     貴重なご意見とご講評ご感想を再度シェアしていただき、誠にありがとうございます。また、ご心配をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。
     
     読書への参加を控えると、メカニズムが厳格化し、米国の Royal Road や台湾の Kadokado のように作家と読者の境界線が明確になり、交流が減ることは理解しています。これがカクヨムを選んだ当初の目的から逸脱すると認識しました。
     
     現実の生活が忙しいため、読書は「量より質」へとシフトせざるを得ないのです。
     
     また、興味のある題材の作品が探しづらくなっている現状から、同じ理念を持つ読者や作家を引きつけるために、私はハードSFの執筆を続けています。これこそが、私の作品が探求し続けている「存在」なのです。
     
     頑張ります。
     
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