僕のお気に入りの本を紹介することにしよう。
今日おススメするのは、佐藤究の『QJKJQ』である。
江戸川乱歩賞を受賞した佐藤究の再デビュー作であり、
かつ、硬派な江戸川乱歩賞の割には文章が柔らかい。
ミステリー新人賞の最難関と言われれば、なんだか難しそうな感じがするが、
いや、全然、そんなことはない。文章がすこぶる読みやすいし、引き込まれる。
そもそも、設定がぶっ飛んでいる。主人公の家族は全員、殺人鬼だ。
殺人鬼一家の日常が揺らぐのは、自宅の中で兄の死体が見つかり、しかも、それが消失することで始まり……。
美しく幻想的な展開も、硬いミステリとは違う。
表紙はなんだか高尚で難しそうだが、そんなことはないので、安心してほしい。
そして、この本は読みやすいうえで、さらにテーマが深いのである。
作者の思慮深さに興奮しないわけにはいかない。
読みやすく、かつ、深く人間を探求した哲学書でもあり、ミステリーとしての面白さも備えた本作は、
知的興奮と現実からの解放感をあなたへお届けするに違いない。
さあ、書店へ、GO!