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本人に悪気はないけれど―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「二十九 翠令、姫宮のお口に不安を覚える」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「二十九 翠令、姫宮のお口に不安を覚える」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860884384917

なんというか……。
「要らん言い」な性格ってあると思います。
「要らんこと言い」とは「要らん・余計」なことを口にしてしまうことです。
言わないほうがいいのに、言葉選びが拙くて、そしてトラブルを招いてしまう……。

そんな性格の人とそうでない人がはっきり分かれているわけではなく、誰にでも「要らんこと言い」なことをしてしまった経験はおありではないでしょうか。

ただし、それが「男性」「成人」ではなく、「女の子ども」という属性だと特に風当たりは強くなると思います。

この辺は、私自身がそうでして……。
私はわりと知的に早熟な子どもでしたが、自分が何の気なしに口にした言葉に相手が激怒するとか、「生意気」「利いたような口をきくな」と言われがちだったりとか……。
さらには、「無神経なことを言うのは性根が歪んでいるからだ」と人格攻撃までされたものです。ふう。

今回の拙作で姫宮が口にする「母性本能」「愛情がある男女に子ができる」などの言葉も、誰かを傷つけようという意図は全くないのですが……。

「十歳の女の子の使うべき言葉」という規範からは外れてしまいます。

全く悪気はないにせよ。
年長で自分に忠義を尽くす翠令に対して、その真剣な感情を茶化すような言葉を選ぶべきではなかった……。
愛情など全く無いのに子ができてしまった竹の宮の姫君に仕えた梨の典侍の前で、口にするべきことではなかった……。

しかしながら、いくら知的に早熟でもそこまで自分の発言の隅から隅まで完璧にコントロールできるはずもなく。

仕方がありませんし、今回のお話でも周囲が「成長を待つ」という結論に至って話がで済みます。

しかしながら、次回以降、姫宮の口にした一言が大きな事件となってしまいます。

第一部の締めくくりに入ってきました。第二部で白狼視点に移りますが、第三部で翠令視点に戻ります。

どうか最後までご愛読賜りますよう……。

今回の写真は、平安貴族が複数の妻を持っていたところから。
(だから翠令も、佳卓の格下の妻なら可能性はあっても、錦濤の商人たちのような正式な夫婦にはなれないと諦めているのです……)

風俗博物館の人形展示(すごく時代考証の行き届いた、平安時代のドールハウスです)から、源氏物語の「絵合わせ」の場面です。
風雅な場面ですが、ぶっちゃけ妃どうしの勢力争いですね……。

そう言えば、この人形展示に、絵合わせを手伝う女童が登場します。
平安時代の女童の服装については、「汗衫」というものがあるそうなのですが……。私が作中で使いこなせるほど詳しい知識が得られませんでした。
錦濤の姫宮が着る御所風の装束について、作中でどう描写しようか迷いがあったのですが、この風俗博物館での女童の展示を見て、大人のいわゆる十二単とあまり変わらないようなのでそのように設定しております(詳しい方が見れば違うのでしょうけれども、拙作では「燕風で動きやすいか」「御所風で動きづらいか」が問題なので……)

風俗博物館 https://www.iz2.or.jp/

追記

先日、2024年の大河ドラマで紫式部が取り上げられると聞きました。きっと風俗博物館にも人が押し寄せることでしょう。

拙作も平安時代をモチーフとしております。
平安モチーフがお好きな皆さま。
最後までその世界観は変わりませんので(別に現代にタイムトリップするとかありませんw)、どうか安心して最後までご愛読くださいますよう。

2件のコメント

  • >「要らんこと言い」
    本編を拝読しながら、強く思っていました。愛情がある男女に子ができるというなら、子供のできた男女には愛情があったということにもなってしまう……。悪気がないと解ってはいるが、竹の宮の姫君と梨の典侍に対してそれはあまりにも残酷じゃないか、と……。
    姫宮の周囲がいい人たちばかりで本当に良かったです。

    >しかしながら、次回以降、姫宮の口にした一言が大きな事件となってしまいます。
    えぇー!?(驚)
  • コメントありがとうございます!

    この箇所、読み手様にわかりづらいんじゃないかと思っていたので、「本編を拝読しながら、強く思っていました」とのコメントいただけてとてもホッとしております。
    姫宮は明るいし、基本的には周囲を思いやれる愛らしい子なんですが、いかんせんまだ子どもですので、こんなことも起こります。周囲の「いい人」は成長を待とうとするのですが……。
    ただ、「いい人」じゃない人とは軋轢を起こすことに。ここから物語がグッと大きく動きますのでお付き合いいただければ幸いです。
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