日月烏兎

　運命の相手、とはどんな相手だろうか。 　一目見たときに惹かれあってしまう何かを感じた相手か。 　あるいは、命の終わるその瞬間まで寄り添える相手のことか。 　あるいは、現世に留ま…

夏の暑さ、クソみたいな上司、ふざけた環境の何もかも。全てはお金で解決できる。地獄の沙汰も金次第。世界なんてそんなものらしい。

「お、俺は……お前の事が……」 少年の踏み出した一歩は、思いもよらないところまでまわりまわって。 そして今日も誰かが幸せになっていく。

傘を持てば、つい出来心の湧いてしまう日がある。 男の子には、ある。 つい、構えたり。 つい、技を出してしまったり。 うっかり、それを見られてしまう日も。 それが大人の階段。

「私、どういう気持ちでいればいいのよ」 「また会えて嬉しい、的な」 あれほど会いたかった彼女との再会も、時と場合によっては気まずいものがある。 別れが鮮明であればあるほど。

『俺、もっと女の子っぽい子が好きなんだよね』 考えたくもないのに、頭の中を繰り返し。 余計なことを考えたくないから、いつもより少し、ペースが速い。

「彼女の入浴シーンだよ、覗きなよ！」 問題発言である。 「カメラ構えるくらいの気概はないの!?」 もはや犯罪である。 いったいこれは何を怒られているのだろうか。

例えば、隣の席のアイツ。 例えば、ずっと一緒だったあの子。 例えば、頼れるあの人。 大切な誰かに振り回されたり振り回したりしながら今日もどこかで恋に落ちる音がする。 甘く、切なく…

「ねぇ、噛みついていい？」 許されないと知っている。 都合の良い女にすぎないと分かっている。 彼の刻む痕に溺れる私は、最低の女だ。

恋は突然に、と言う。 交通事故に合うようなもの、だと言う。 「お付き合いを前提に結婚してください！」 ……どうやら、そうでもないらしい。

正月早々上がり込んできた友人。何やら相談があるようだ。 「お年玉ってオヤジ狩りの柔らかい表現だよな」

静かな部屋を、無粋なノックがぶち壊す。 「はーい、お姉さまの入場」 受験勉強中だとか、年頃の弟の部屋だとか、そんなものは一切関係ないらしい。 そんな滅茶苦茶でお馬鹿な姉だが、俺は…