大江戸アルティメイタムが完結した。
一部二部合わせて計76話だ。
よくぞこんなに書いたものだと思う(まあ、それ以上の話数を書いている方も大勢いらっしゃるが)。
ホントは第一部を終えた時点で続編を書くのをやめようと思った。
「烈華」よりPVは稼いだものの、書籍化などとうてい望むべくもないお粗末な数字だったからだ。
それに時代劇はファンタジーと違って史実を扱っている部分もおおきいからいちいち調べなければならない。時代劇特有の台詞回しもある。けっこう知力体力を使う。
それでも続編を書いたのは頭のなかで「書け、書くんだ、文蔵!」という声がうるさく鳴り響いていたからだ。
第一部が終わった時点でゴールまでの構想はしっかりできていた。やはりピリオドを打つまで書ききらねば、この気持ちは納まらない。
書いているうちに奇跡が起きてどかーん、と波がくるかもしれない……と甘い考えももっていた。
……まさしく甘い考えであった。相変わらず星の数はゼロ。八田文蔵の挑戦はただの自己満足に終わった。
執筆中、何度も何度も、「こんなの意味があるのか?」「徒労に徒労を重ねているだけじゃないのか」という思いに苛まれたことがある。
それでもやめられなかった。やはり自分は『書く病』にかかっているのだと自覚した。この病は書き切るしか治療のしようがない。
いま、八田文蔵は成仏している。より多くのひとに作品を届けたかったがそれは仕方がない。病を治したかったのだから、そこまで望むというのは欲張りというものだ。
わずかではあるけれどもこの物語を読んでくれた人たちに対して心の底からお礼を申しあげたい。
ありがとうございました。
八田文蔵 拝