10月21日朝6時に「わずか8mm幅の恋」の最終話を公開しました。
公開から完結までちょうど5ヶ月。全54話、10万文字弱で、過去の長編に比べると量的には少ないです。それでも最初から最後まで読んでいただけたのでしたら、本当に本当にありがとうございました。途中で投げ出さず、こうして最後まで書き上げられたのは、皆様がうびぞおのやる気スイッチを押してくださっていたおかげです。感謝しております。
今年の3月頃から書いては消し書いては消しして、半年以上かかった作品です。今までで一番難しかった気がします。百合恋愛ものに見せかけた母子自立のタイムリープ風ファンタジーというジャンル的に混乱した物語でした。
妖怪も亜人も出て来ない、超能力もバトルもないですけど、『わず8』は、一応「現代ファンタジー」です。ファンタジーなんです。書いたことのないジャンルを書いたことと、最後まで書いたことは自分で自分を褒めるところです。
さて、実は、今、ここ。うびぞおさんがいるのは総合病院です。10月16日月曜日から入院してます。こんなこと書いてしまうと心配してくださる方もおられるかとは思いますが、一週間弱の入院で、元から命に別状はなく、今日にも退院して、すぐ元気になる筈なのでご心配は無用です。この近況も大半は入院前に書いたものです。
仕事が平常より増えているところに入院が決まり(実は8月も3日だけ入院してました)、前倒しに働く必要が発生し、この夏は、ひたすら働いてました。『わず8』を病気で中断するのは嫌でしたが、無理して余計に周りに迷惑を掛けるのは、もっと嫌だったので、疲れてる時や体調悪い時は大人しく休んでました。おかげで見る見るストックが減ってしまい、一時は中断もやむなしかと覚悟しましたが、やれる時だけちょいちょい頑張っていたら、仕事が減ったことと、スポーツ中継の放送が多かったこと(なぜか作業が捗る)もあって、入院前に余裕を持って最終話を書き上げることができました。でも、とにかく無理しなかったことがいちばん偉かったぞ!と自画自賛しています。
とはいえ、入院中に近況をこっそり公開するのは無茶やな、と思ったりしてます。
これでまたしばらく、お休みになります。次に書きたいものは一応ありまして、これから順調に作業を進められれば、新作引っ提げてカクヨムコン9に挑戦したいです。が、体調回復優先の現状では、ちょっと無理かな。まあ、いずれは何か書きます。その時は、また読んで下さい。そして、できれば褒めてやってください。
イラストは描けません。さすがに無理。もし、なにか描けたら近況に載っけます。
そんなこんなで、うびぞおでした。
できれば、また、お会いしましょう。
٩( 'ω' )و
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ここからは、『わずか8mm幅の恋』の裏話的な話。長くなるので、読みたいと思ってくださった方が超!超!!暇な時にでも読んでくださればありがたいです。
なお、ネタばれしますので本編読んでない方は、ぜひ『わず8』をご覧いただきたく。
1.1人称の3人称にチャレンジしたい
1人称でキャラ毎に視点を変えて書く表現は楽で分かりやすいと思います。それは分かってるけど、何か違うことをしたがるのがうびぞおさんです。そんな時に、「怖い映画…」で、カヌキさんが夢の中でお母さんになった未来の自分の中に入る話を書いて、1人称だけど3人称なのって面白いなと思いました。それが「わず8」のきっかけになりました。
ところが実際やってみると、常に透子=美帆の視界に何があるのかを意識して書くのでひどく大変でした。それに、美帆の表情は鏡に映らない限り透子からは見えない筈なので、美帆の表情はほとんど描写できません。そして、透子以外の登場人物の感情や思考を書くこともできず、かなり表現が縛られました。自分で始めたことですが、とにかく難しくて面倒臭かったです。読んでくださっていた方が不自然だと思っていないことを祈ります。
2.8mm映画はよく分からない
娘が25歳前後だとすると、母親の大学時代は多分80年代の話になるだろうと考えて、80年代のことを色々調べました。映研設定にしたので8mmのことも調べましたが、実際当時の映研の撮影はどうだったんでしょうか?知人が8mmを使ってましたので、そうしましたが、もしかして、8mmじゃなくてビデオだったのかも?謎です。
80年代の描写や8mmカメラの撮影シーンの描写で、これは間違ってるぞ、というツッコミや、うびぞおさんは何歳ですか?と尋ねられたりするかもと思いましたが、残念?なことにどちらもありませんでした。もし聞かれたら、「73歳の小粋な紳士です」と答えるつもりでしたのに。ちぇ(笑)
なお、「Still Love Her」はTMネットワーク、「Lovin' You」は渡辺美里さんの80年代の歌です。
3.ストーリーを優先するとキャラが分からなくなる
さて大筋を決めて書き出しましたが、今のうびぞおさんの力量だと、お話を進めるのが手一杯で、登場人物の個性まで描き切れなくなります。登場人物全員、どんな人となりなのか把握できないまま、お話が終わりました。まぁ、書いているうちには、少しはキャラが掴めてきて、透子の口癖は「や、」、美帆はうざいギリギリ、麻友は女らしくない、柊ちゃんはかっこいいけどヘタレ、というイメージで書いてました。書き分けはそれぐらい。それで、よくなんとかなったなあ、我ながら。
ただ、これだけイメージがつかめてないとなると、うびぞおさんの頭の中には登場人物たちのビジュアルも思い浮かばない、つまり絵が描けません。今回、近況にあんまり絵がないのは時間がないからだけではなくて、絵にできないからというところの方が大きいです。
4.モチベーションはPVと相関する、や、しないかも。
百合恋愛ものに見せかけた母子自立のタイムリープ風ファンタジーってターゲット読者層どこよ?と自分でも思いました。しかも、キャラクターが弱い上に、伏線をいろいろ張っておこうとしてたら、透子が美帆の体に入るまでに10話近く掛かってしまいました。公開前、このスロースタートじゃ読者が付かないぞ、と予測はしましたが、その予測すら下回る(うびぞお作品比)PV数でした。ちょうど、仕事が忙しくなってきたところでもあったので、モチベーションがだいぶ下がりました。愚痴だらけの近況を書いて1回消したくらい。
ただ、短編のゾンビの話を書き終えた頃かと思うんですが、その頃の最新話のPV数がいつも15くらいだったので、この15人の人たちが最後まで読んでくれるようなものを書きたいと、ふと思いました。それからもPVを気にしてはいるんですが、最も気にしてるのは最新話のPV数なので、さしてPVが増えなくてもモチベーションは下がらなくなりました。むしろ、うびぞおさんは調子に乗り始め、こんな面倒臭い話は早く完結させて楽になりたいという思いとは裏腹に、エピソードが増えて話が伸びていきました。
ちなみに最終話付近では最新話PVは15から25くらいになりました。嬉しい限りです。何度でもお礼を言いたいくらい、毎回読んで下さったこの読者様たちが、この話を盛り上げて、最後まで書かせてくれたのだと思ってます。
5.美帆と麻友が勝手なことをする
長くなってきたので、そろそろやめないと。と言いつつ、最後に裏話いくつか。
美帆と麻友が海に行ったり実家に帰ったりは後から付け足したエピソードです。客観的に説明すると、美帆と麻友の関係を想定より深く書きたくなったということです。が、うびぞお的に言うと、美帆と麻友が頭の中で「海に行きたい」「いちゃつきたい」といきなりぎゃあぎゃあ言い出したような感覚でした。おかげで書く予定がなかった三角関係まで描写しなけりゃならなくて、美帆と麻友にはいらん苦労をさせられた気がしてます。
麻友がおばちゃんだったというオチになるべく気付かれないようにするのが難しかったです。「おばちゃん」という単語を定期的に使って、その存在を忘れられないようにしつつ、余り印象的にしないとか。目くらましにするために、麻友の中に柊ちゃんがいたことはすぐにバレるようにするとか。一応、うびぞおさんなりにそんな工夫はしてましたが、分かる人にはバレてたかと思います。
柊ちゃんは、割と重要な役割だったのですが、出番が少なくて影が薄いので、忘れられないように途中途中に第0話として、透子と柊ちゃんの話を入れてました。第0話は節目の箸休めにもなりそうだったので、どうせならと思って、第0話は恋愛もののちょっとした短編として読めるようにしたつもりです。第0話が邪魔だと思われていなければありがたいし、もし楽しんでもらえてたとしたら、かなり嬉しいです。
透子が過去に跳んだのは8mmカメラの起こした奇跡だったかも、と思い付いたのは、残り4話か5話を書いてるときでけっこうギリギリでした。というかファンタジーなんだから理由なんかいらんわ、くらいに思ってました。そしたら、なぜか突然(仕事中に)思い付いて、あー、それいいな、さて、どうやって組み込むか(仕事の合間に)考えて、8mmカメラを持って来れるとしたら、『ぽんすけ』しかいない!となり、ぽんすけおじさんが登場することになりました。お分かりだと思いますが、ぽんすけは、うびぞおさんのお気に入りです(笑)。あと、おじさんぽくて可愛い口調を考えるの好きです。
6.最後です
「わずか8mm幅の恋」、この近況をもちまして、やっとおしまいです。ああ、大変だった。
こんなに無駄なことをうだうだ考えてたのか、と呆れられたかもしれませんが、うびぞお、いらんことばかり考えて、いらんことしてしまうタイプです。長々長々、愚にも付かない話に付き合って下さってありがとうございました。
あなたに心から感謝します。
うびぞお〜実は73歳の小粋な紳士
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