<お品書き>
1 進捗報告
2 執筆のために読んだもの
<1 進捗報告>
・最近は少しずつ昼間の暑さも和らぎ過ごしやすくなってきた今日この頃ですが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
・少し前にXでもご報告したことですが、第三部の副題がほぼ決まりました。
・副題は『猫の王よ、鉄の音色を奏で給え』になりそうです。
・登場するキャラクターが増えると、キャラ同士の絡みや掛け合いも増えるもので、そうした各キャラ同士のやりとりを前回以上に増やしているとページ数がえげつない量に増えており、第二章だけで第一部全体を超過したというわけがわからない状況になっていますが私は元気です。あい。
・第一部はイネさん、第二部はアキラさんが話の軸になりましたが、第三部は獅子ヶ嶺さんが台風の目となります。
・シシーさんは作者としては書いてて面白いヒトなのですが、キャラが強すぎて逆に私が引っ張られて彼女に書かされてるな、などと思わされる今日この頃です。
・彼女が次に振る舞うだろう言動を予測しながら書いていると、何度も「マジかお前。頭おかしいって」と言わされる始末。
・第三部はそういう仕上がりになりそうです。
・ぜひ、一人でも多くの方にお楽しみいただけたら幸いです。
・ご笑覧ならびに布教等たまわれますと幸甚の限りにござ候。
<2 執筆のために読んだもの>
・早瀬まひる『まひるのM日記』(河出書房新社、1999年)を読みました。
・こちらはマゾヒストである作家の早瀬氏が、自身のマゾヒスティックな性生活と思想を赤裸々に開陳した一冊となります。
・マゾヒストとされる人が一体何を考え、パートナーからの調教を望んでいるのかを理解するのに有益な著作です。
・読み進めるほど、作者の思索や造詣の深さにも感心させられ、ただの奇人の日記と片付けられない、奥深く生々しい生きた人間の物語を紡いでいます(が、内容が内容だけにあまり未成年者にはオススメしたくないものでもあります)。
・読んでいて特に面白いと思わされたのが、パートタイム・マゾヒストという概念。
・マゾヒストはサディストのパートナーから飼われることを望む。プレイ中は服従させられ、すべてを支配されることに喜びを感じる。しかしそうした服従の快楽はプレイの中だけのもの。生活の全てにおいて隷属させられることは望むべくもない。なぜなら結局自分も相手もそれぞれの生がある個別の生き物であり、飼う側も飼われる側もあらゆる生活部面において決定し、あるいは服従する関係は現実的でなく、また窮屈がすぎて求めるものではないから。
・つまりマゾヒストであることはプレイの最中の限られた時間において成立することであり、あたかもそれはパートタイムのようである。
・なるほど面白いな、と思わされた思索でした。
・誰よりもSMの関係に溺れながらも、そうした当人たちはどこか冷めた思考でシビアに物事を見ていて、そこに「そういうものだ」という割り切りと諦念のようなものを感じさせられました。
・興味のある成人の方はぜひ、ご一読なさってみてください。
・では。